自動車保険『等級』の全てわかる【割引率・引継ぎ・上がる&下がる】
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自動車保険において大事なのが等級です。この等級によって大きく保険料が左右されることになるので、知識として知っておく必要があります。特に等級ごとの割引率があることや上がるパターンに下がるパターンは重要です。
そもそも保険とは大勢の人が少しのお金を出し合って、万が一の時があれば助け合おうという互助的な仕組みです。
そこで保険会社としては加入者に不公平感がでないようなシステムを作っているのです。それがこの等級になります。では等級について詳しくみていきましょう。
自動車保険の等級制度(ノンフリート等級制度)の仕組みとは保険料の割引や割増が決まる
自動車保険で採用されているのが、等級制度です。これは先にも触れたように、加入者が保険料を支払うのに不公平感を覚えないために作られた制度となっています。ではその仕組みがどうなっているのか見ていきましょう。
等級制度の概要は、その等級によって保険料の割引きや割増が決まるというものです。事故を起こした人、起こさなかった人で同じ保険料のままというのは、不公平になるからです。そのため細かくルールが決まっています。
- 1等級から20等級まである
- スタートは6等級から
- 無事故なら等級が上がる
- 事故をしたら等級が下がる
- 等級の数字が大きくなるほど割引き率が高くなる
この5つを覚えておけば、等級制度の概要は理解したと言えるでしょう。
最初の新規契約時は6or7等級スタート!最高割引は20等級
等級制度のスタートは6等級からになります。これは初めて自動車保険を契約するといった時の等級です。もう少し詳しく解説をしましょう。新規で自動車保険の契約をする人に、同居する親族がいない配偶者もいないという場合です。
ですが同居する家族や配偶者が既に車に乗っていて、11等級以上で自動車保険に加入しているのなら話が違ってきます。この場合はセカンドカー割引という制度が利用できるからです。
セカンドカー割引を利用すれば7等級からのスタートにできます。ちなみに20等級にまで至ると、保険料は63%も割引きになります。
【全等級別】自動車保険料の割引率比較一覧(計算式)
等級 | 無事故の場合 | 事故有の場合 |
---|---|---|
1等級 | 約60%割増 | |
2等級 | 約30%割増 | |
3等級 | 約10%割増 | |
4等級 | 数%割引 | |
5等級 | 約10%割引 | |
6等級 | 約20%割引 | |
7等級 | 約30%割引 | 約20%割引 |
8等級 | 約40%割引 | 約20%割引 |
9等級 | 約40%割引 | 約20%割引 |
10等級 | 約45%割引 | 約20%割引 |
11等級 | 約50%割引 | 約25%割引 |
12等級 | 約50%割引 | 約30%割引 |
13等級 | 約50%割引 | 約30%割引 |
14等級 | 約50%割引 | 約30%割引 |
15等級 | 約50%割引 | 約30%割引 |
16等級 | 約50%割引 | 約40%割引 |
17等級 | 約50%割引 | 約40%割引 |
18等級 | 約50%割引 | 約40%割引 |
19等級 | 約60%割引 | 約40%割引 |
20等級 | 約60%割引 | 約40%割引 |
自動車保険の等級が上がる・下がる条件は『事故あり・なし』
自動車保険の等級はとても大切なものです。この等級が上がる、下がるというのは、保険料にも直結してきます。では等級の上がる下がるはどう決まるのでしょうか。
- 1年間無事故で保険を使わなかった
- 事故をして保険を使った
大きくはこの2つに分けられます。通常自動車保険は1年契約になりますので、この期間を無事故で過ごせば翌年の契約では自動的に等級が1つ上がるのです。反対に事故を起こして保険を使ってしまうと等級が下がってしまいます。
3等級下がる(ダウン)場合と保険料について
事故を起こして等級が下がるとしても実はいくつかのケースに分けられるのです。ここでは3等級下がる場合について考えてみましょう。一般的な交通事故の加害者になってしまい、自動車保険を使って損害賠償をしたとします。
この場合は3等級ダウンとなるのです。事故の被害が軽微であるのなら保険を使わないという選択肢もあります。保険を使わなかった場合は、等級が下がりません。事故を起こすのではなく、その後に保険を使うかどうかが重要になります。
1等級下がる(ダウン)場合と保険料について
自動車保険を使う場合、3等級のダウンばかりではありません。補償を受ける内容によって1等級ダウンという場合もあるのです。これは車両保険に加入している場合に発生します。または自分が交通事故の被害者であるケースもそうです。
- 盗難
- いたずら
- 落下物
- 火災
- 台風
などのような自分に原因がない場合、保険を使うと1等級ダウンになるのです。ただこちらも被害が軽微であるのなら、保険を使わずに対処するケースも少なくありません。保険料のアップと車両の修理代などを考えてみるといいでしょう。
等級が下がらないノーカウント事故について
最後に保険を使っても、等級が下がらないノーカウント事故も紹介しておきましょう。これは完全に自分が被害者となってしまった時のパターンです。
- 赤信号でとまっていたら、後ろから激突された
- 中央車線を越えて、相手の車がぶつかってきた
などのようなケースが該当します。交通事故の過失割合が10対0になる場合に、このノーカウント事故となります。この場合は等級が下がりませんので安心して保険を使うことができるでしょう。
1等級下がった場合の「事故有係数」と「無事故係数」
交通事故によって自動車保険を使ってしまった、その内容によって3等級ダウンと1等級ダウンというペナルティーがあります。さらに2013年からは事故有係数と無事故係数が導入されました。
等級ダウンをした人と、もともとその等級だった人が同じ保険料を払うのは不公平であるとする考えからです。具体的には保険を使うと、3等級ダウンでも1等級ダウンでも事故有係数が翌年からつきます。
これは本来の等級よりも低い割引率が適用されるというものです。
- 15等級から14等級へと等級ダウン
- 14等級本来の割引率は50%
- 事故有係数が適応されると31%
といったように本来の14等級の人とは、差がつくようになっています。ちなみに1等級ダウンの場合は1年間無事故なら、翌々年からは無事故係数に戻ります。
自動車保険を安くするコツ「等級の引継ぎ・継承」とは?
自動車保険の保険料の仕組みは、事故を起こすリスクが高い人ほど割増になっています。反対に事故のリスクが低ければ、割引率が高くなる仕組みです。そのため免許証を取り立ての若い人ほど、保険料が高くなっています。
そこで保険料を節約するために知っておきたいのが、等級の引継ぎや継承といった制度です。この制度を上手に利用することで保険料をかなり割引きしてもらうことができます。そこで等級の引継ぎについて解説をしていきましょう。
家族が2台目購入した場合は等級引継ぎで大幅な割引を
等級の引継ぎをする時には、いくつかの方法があります。最も代表的なのが家族が2台目となる自動車を購入した時です。
父親が所有するA車 | 15等級 |
---|---|
息子が新規購入したB車 | 7等級 |
という状況だとします。7等級なのはセカンドカー割引を適用しているからだと考えてください。この時に息子が新規で購入したB車と父親のA車の等級を入れ変えることができるのです。
仮に息子が20歳だとすれば全年齢補償を受けることになるので、7等級スタートでも保険料は割高になります。しかし父親の持つ15等級と交換ができれば、保険料を大幅に節約できるのです。対して父親の方は7等級になるので保険料はアップします。
ですが年代などの条件から息子ほど割高な保険料を払わずにすむのです。結果として家族全体の保険料の割引きが行われるという形になります。
親子間でも等級が引継ぎ・入れ替えできない場合(別居・同居)
上で紹介したケースで、1つ注意しておきたいことがあります。それは等級を引き継ぐことができるのは、同居している親族か配偶者に限られるという点です。ここでポイントになるのが、同居しているかどうかでしょう。
例え親子間での等級の引継ぎであっても、同居していなければ引き継ぎができません。逆に言えば、等級の引継ぎの契約時に同居していれば問題ないのです。契約後に就職や転職で家を出たとしても、既に等級の引継ぎは行われています。
等級の引継ぎは様々なケースが考えられますが、基本はこの同居している親族に限られるのを、覚えておくといいでしょう。
ちなみに配偶者の場合はまた少し扱いが違ってきます。ただ悪い方にではなく、優遇される方に扱いが異なるので、心配しないでください。
夫婦間での引継ぎは可能!別居でも等級は譲れる
夫婦間での等級の引継ぎは可能です。夫婦の場合は親族と違って同居が条件にならないのが、ポイントだと言えるでしょう。仮に旦那さんが単身赴任をしていて、現在は別居中だとします。この条件でも夫婦間であれば、等級の引継ぎができるのです。
配偶者も親族となるので、同居していなければ等級の引継ぎができないと考える人も少なくありません。しかし自動車保険において配偶者と親族は別となっているので、別居していても問題なく等級の引継ぎが可能です。
等級の引き継ぎ期間はいつからいつまで?7日間まで
等級の引継ぎをする時に注意したいのが、等級継承期間の存在です。これは満期日の翌日から計算をして7日以内に手続きをしなくてはいけないというものです。この期間を過ぎてしまうと、原則として等級の引継ぎができません。
ただ保険会社によっては救済措置があるようです。ですので等級の引継ぎをする場合、早めに手続きをしておくことが大切です。一般的に満期日の3ヶ月前から、新規の自動車保険契約ができるようになっています。
もし等級の引継ぎを予定しているのなら、早めに保険会社に連絡をとっておくといいでしょう。ちなみに新規契約をする時に別の保険会社と契約をしても大丈夫です。
ただこの場合も等級の引継ぎを行いたい旨を連絡して、必要な手続きは早めにすませるのがお勧めです。
7日間という期間は等級の引継ぎをするのなら絶対に覚えておくべきでしょう。
こんなときどうする?等級に関するQ&A
等級に関する知識を紹介してきましたが、まだまだ疑問に思うケースがあるはずです。そこで等級に関して、Q&A方式で気になるポイントを紹介していきましょう。
といった点にスポットをあてていきます。
【Q1】保険が満期切れ…自動車保険の等級は復活・戻せるの?
自動車保険が満期で切れてしまった時に、等級はどうなるのでしょうか。一般的には期限が近くなると更新のお知らせなどがくるので、満期で切れてしまうケースは少ないはずです。ただ起こる確率がゼロではないので解説をしていきます。
通常、自動車保険が満期切れした場合ですが、等級は13ヶ月間保持されるようになっています。14ヶ月を過ぎるとリセットされて、次回の契約は新規扱いとなって6等級スタートです。
つまり13ヶ月以内に自動車保険の契約をすれば、等級はそのままで復活することができます。ただ様々な事情によって、この期間内に再度契約ができない時は、中断申請をしておくといいでしょう。
自動車保険の中断を行うと、最長で10年間は等級が維持できます。折角の等級ですから、高ければ高いほど確実に更新をするか、中断を選ぶようにしてください。
【Q2】自分の等級がわからない場合の調べ方・確認方法
自分の等級がわからない時は、どこで確認をすればいいのでしょうか。最も手軽なのは自動車保険の証券を見ることです。証券の中には自分の等級と、事故有係数の適用期間が記載されています。それを確認するのが、いちばん早いでしょう。
ダイレクト型保険のデジタル保険証という場合は、各保険会社のウェブサイトで確認できます。わからなければ保険会社に連絡を入れて、自分の等級を教えて欲しいと伝えてください。難しいことではないので、手軽に確認ができます。
【Q3】保険を乗り換えれば事故有係数適用期間はリセット?
自動車保険を使って事故の処理をした場合、事故有係数がついてしまいます。1等級ダウンであれば1年ですみますが、3等級ダウンは3年間もあります。この間に事故を起こしてしまうと、さらに事故有係数の適用期間が延長されるのです。
こうした状況を嫌って、保険を乗り換えることでリセットされるのではと考える人もいます。しかし保険会社では情報を共有しているため等級や事故有係数をリセットすることができません。
【Q4】保険を途中解約すると等級はリセット?中断・休止が可能
自動車保険を途中で解約する、というケースもあります。この場合の等級はどうなるのでしょうか。基本的には先にもお伝えしたように、13ヶ月以内であれば保持されることになっています。ですのでこの期間内なら、いつでも復活できるのです。
満期日で切れるのか、解約をしたのかという違いはありますが13ヶ月等級が保持されるのは変わりません。ただ注意したいのが、それ以上の期間契約をしない場合です。この時は自動車保険の中断を使うといいでしょう。
自動車保険の中断をすれば、最長で10年間は契約をしなくても等級はそのままにできるからです。ちなみに中断からの再開をする時には、本人ではなく配偶者や同居の親族でも引継ぎができます。さらに異なる保険会社で契約をしても問題ありません。
【Q5】等級の据え置きは可能?等級プロテクトってなに?
等級の据え置きはできるのかですが、これも先ほどと同じ答えになってしまいます。解約から13ヶ月以内なら特別な手続きをしなくても、等級は以前のものが使えます。
これ以上の期間になるのなら中断を使って等級のプロテクトをしてください。ただし等級の中断をして、プロテクトを受けるには条件があります。
- 再開後の等級が7等級以上であること
- 事故を起こしていて、7等級以下になる場合は中断できない
ということです。これは再開後の等級が、正確には翌年に更新したものとなるからです。つまり10等級で中断をして、その時点で無事故なら11等級からの再開になります。
反対に8等級で事故を起こしていて3等級ダウンをする場合は、再開が5等級からになるので中断が使えません。
等級が分かったら一括見積もりで保険料を徹底比較しよう
等級というのは自動車保険の保険料に、大きく影響を与えるものです。そのため自分の等級で保険料が左右されると言っても過言ではありません。そこで等級が分かっているのなら、一括見積もりを使って保険料を比較してください。
最近では様々な企業が自動車保険に参入をしていますので、各社ともに差をつけるのに独自のサービスを行っています。つまり同じ補償内容でも、保険会社によって保険料がまったく違ってくるのです。
だからこそ保険料を比較することが大切です。保険会社によって2割から4割は、保険料が違ってくるとも言われていますので、節約するのなら比較は絶対でしょう。そこで役だってくれるのが、保険料の一括見積もりです。
複数の保険会社に一括して依頼ができるので、効率よく見積もりを集められます。
まとめ
自動車保険において重要なのが等級です。等級は1等級から20等級まであって、20等級になると60%以上の割引きが適用されます。反対に5等級以下となると、保険会社によっては契約を断られる可能性もでてくるのです。
料金的にも割増になってしまうので、絶対に避けておきたいところでしょう。等級は1年間無事故であると、1つ上がる仕組みになっています。この等級を上手に使うことで、保険料の節約ができるのです。
具体的には等級の引継ぎを使って、本来なら割高な保険料を支払う人に高い等級を渡せます。ただ配偶者や同居の親族に限られるのがポイントです。自分の等級がわかっていると、保険料の見積もりもしやすくなります。
等級を確認したいのなら保険証券を確認してください。保険料の見積もりは、必ず複数の保険会社から取りましょう。その時に一括見積もりを使うと便利です。