「他車運転特約は自動付帯」補償が使えない5つのパターンだけ要注意!
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自分の車だけでなく友人の車を借りて運転する場合もあるものです。そんな時に事故を起こしてしまったら、その車の持ち主である友人の自動車保険を使って補償することになるでしょう。
車を借りて事故を起こした上に保険まで使わせてしまったら、非常にバツが悪いものです。そんな時に便利な特約が他車運転特約です。
他車運転特約があれば、自分が加入している自動車保険の範囲で補償を受けられます。ただし、補償が使えないパターンもあるので補償の中身も知っておきましょう。
他車運転特約(他車運転危険補償特約)とは?任意保険に自動付帯が多い
他車運転特約とは、他人の車を借りて運転した時に起こした事故に対して、自分の自動車保険を使って補償できるという特約です。他人の車で事故を起こしたこと自体、申し訳ない気持ちになりますが、さらに保険まで使わせてしまうのは心苦しいでしょう。
それが他車運転特約を付けるだけで自分の保険で補償されるので、金銭面での償いはできます。そのため、他人の車を運転することがある方は加入しておいた方がいいでしょう。そこで気になるのが保険料ではないでしょうか。
ですが、他車運転特約はほとんどの保険会社で任意保険に自動付帯しています。そのため、任意保険に加入しているだけで他車運転特約も加入という形になり、追加の保険料はありませんので安心です。
【大手保険会社16社】他車運転特約の自動付帯の採用状況一覧表
保険会社 | 他車運転特約の自動付帯の採用状況 |
---|---|
ソニー損害保険 | ○ |
共栄火災海上保険 | ○ |
東京海上日動火災保険 | ○ |
チューリッヒ保険 | ○ |
セゾン自動車火災保険 | ○ |
アクサ損害保険(アクサダイレクト) | ○ |
AIG損害保険 | ○ |
損保ジャパン日本興亜 | ○ |
イーデザイン損害保険 | ○ |
日新火災海上保険 | ○ |
三井住友海上火災保険 | ○ |
SBI損害保険 | ○ |
あいおいニッセイ同和損害保険 | ○ |
セコム損害保険 | ○ |
楽天損害保険 | ○ |
三井ダイレクト損害保険 | ○ |
上記16社を調べてみたところ、すべて自動付帯となっていました。このことから多くの保険会社は自動付帯されていると考えられますが、上記以外の保険会社を検討している場合念のため加入前に自動付帯されているか一度確認をおすすめします。
他者運転特約で補償される運転者の範囲(家族範囲)
他車運転特約で補償されるのは本人だけとは限りません。運転者の範囲としては加入している自動車保険の契約内容と同等となるため、契約次第で範囲は異なります。
たいていの方は運転者限定特約を付けているでしょうから、運転者の範囲は以下のいずれかになります。
本人型 | 記名被保険者のみ |
---|---|
夫婦型 | 記名被保険者とその配偶者のみ |
家族型 | 記名被保険者とその配偶者、同居の親族、同居の未婚の子のみ |
例えば友人の車を配偶者が運転中に事故を起こした場合、自分の自動車保険の運転者限定特約で本人限定以外に加入していれば補償されます。
また、家族型に加入していれば、同居の親族が事故を起こしても対象となります。まずは自分の自動車保険がどう設定しているか確認してください。
他者運転特約で補償される保険金の内容
他車運転特約で補償される保険金については、自分が加入している自動車保険の補償の範囲内で補償されます。ここで重要になるのは車両保険の範囲です。
車両保険に加入していると自分の車の価値に応じた補償金額となります。そのため、例えば以下のケースでは全額補償とはなりません。
- 車両保険の設定金額が30万円で、修理費用が50万円かかってしまった
- 車両保険の設定金額が100万円で、300万円の車を運転して全損となった
- 車両保険そのものに加入しておらず、自分に過失割合のある事故を起こした
いくら車両保険に加入していても、相手の車の価値が高い場合には全額補償にならないこともあります。もしも車を借りる場合は自分の車よりも高価な車は避けたほうがいいです。
他者運転特約で補償されない免責『5つのパターン』
他車運転特約は、他人の車を運転していた場合に補償されますが、どんな時でも補償されるわけではありません。大きく分けると以下の5つのパターンで補償されないので、他人の車を運転する場合にはこの点もよく知っておきましょう。
【パターン1】補償の対象範囲外の場合(家族限定)
他車運転特約は、自分が契約している自動車保険の内容に合わせて補償されます。そのため、家族限定など運転者限定特約を付けていれば、その対象範囲外の人が運転していた場合は補償されません。
例えば以下のようなケースです。
- 本人型に加入し、配偶者が他人の車で事故を起こした
- 夫婦型に加入し、同居の未婚の子が他人の車で事故を起こした
- 別居している子供が他人の車で事故を起こした
- 【パターン4】同居の子供が所有している車を借りて起こした事故
あくまで補償される運転者の範囲は加入している自動車保険と同じということを覚えておきましょう。
【パターン2】別居の未婚の子供の所有車を子供自身が運転中に起こした事故
未婚の子供に親が車を買ってあげるというケースも少なくないでしょう。親名義で自動車保険に加入して同居している場合はいいのですが、別居した場合に子供自身が運転中に事故を起こした場合は他車運転特約では補償されません。
【パターン3】事故が駐車・停車中の場合
他車運転特約はあくまで運転中の事故に限るということです。そのため、駐車中や停車中に起こった事故に対しては補償されません。例えば以下のケースです。
- 駐車場に駐車している時
- 荷物の積み下ろし中
- 停車して人を待っている時
ただし信号待ちや渋滞での停車は運転中となるので補償されます。
【パターン4】同居の子供が所有している車を借りて起こした事故
同居している子供が所有している車に乗ることも少なくないでしょう。他車運転特約は同居の親族も補償の対象になるのですが、この場合は他人の車ではありません。そのため自分の保険の他車運転特約では補償されないのです。
【パターン5】業務目的(営業)で事故を起こした場合
他車運転特約は、そのため業務目的で事故を起こした場合は、たとえ他人の車を運転していても補償されません。例えば以下のようなケースです。
- 車の整備業者がお客さんの車を納車する時に事故を起こした
- 会社が所有する車で事故を起こした
朗報!レンタカーを借りて交通事故を起こした場合は適用
旅行先でレンタカーを借りて移動する場合、慣れない土地で慣れない車を運転するのですから、事故を起こすリスクも高くなるでしょう。
レンタカーを借りて事故を起こした場合も、他車運転特約で支払うと思う方もいるのではないでしょうか。ですが、たいていのレンタカー会社では車を借りる場合には一時保険に加入することが義務となっています。
ですので、わざわざ等級を下げてまで自分の自動車保険の他車運転特約を使う必要がありません。
ただし事故の程度によってはレンタカー会社で加入した自動車保険では足りない分が出てくるケースもあり、その場合には自分の他車運転特約を使うこともあります。
まとめ
他車運転特約は他人の車を運転中に事故を起こした場合にも、自分が契約している自動車保険の補償範囲内で補償してもらえます。ほとんどの保険会社で他車運転特約は自動付帯となっているので、保険料も上がらず安心です。
ただ、他車運転特約には補償が使えないケースもあり、それをよく知っておかないと補償されるはずが補償されない、なんてことにもなりかねません。まずは補償されないケースと自分が契約している自動車保険の内容を確認してみましょう。