車内身の回り品特約は必要?カメラ&携帯電話は補償範囲外?各社違い
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自動車保険では車本体の損害の他に、事故の影響で車に積んでいた物が壊れてしまうこともあります。基本的に積んでいた荷物に関しては補償されませんから、物によっては意外と大きな損害となってしまうこともあるでしょう。
そんな時に車内身の回り品特約をつけておくと、対象となる物であれば修理費用を補償してもらえます。ただし対象とならないものや対象とならないケースもありますし、保険会社によって異なるのでよく確認してみましょう。
自動車保険『車内身の回り品特約』とは?
自動車事故では車そのものが損害を受けたり、搭乗者が怪我をすることがあります。そしてそれ以外に、車に積んでいたものが事故の衝撃で損害を受けてしまうこともあるでしょう。
自動車保険の車内身の回り品特約はそういった身の回りの物の修理費等を補償してくれる特約です。身の回り品によっては、車の修理費用よりも高くなることもあります。例えば以下のようなケースで補償されます。
- 座席に置いていたカメラ・ビデオが事故の衝撃で落ちて壊れた
- トランクに積んでいたゴルフクラブが曲がってしまった
- キャリアに固定していたスノーボードが壊れた
- トランクに積んでいたトランペットが故障した
車内身の回り特約の適用される”2つの補償条件”
車内身の回り特約は保険会社によって適用条件や適用となる物は異なりますが、基本的に以下の2つの補償条件を満たす必要があります。
- 事故で身の回り品が破損した場合
- 車両保険への加入
事故とは単純に交通事故だけでなく、車両の盗難や車上荒らしのことも含まれます。また車両保険に加入していないと車内身の回り特約は付帯できません。
ですので、車が古いので車両保険はかけなくてもいい、と思っていても高価な身の回り品を載せる人は加入したほうがいいでしょう。
また、見に回り品が破損するケースとしては、急ブレーキや急ハンドルもあります。ですが、このような場合に身の回り品が破損しても事故が起こらなければ補償されません。皮肉なものですが、事故を起こしたほうが補償されるのです。
身の回り品特約が適用されないケース(紛失・故障・車上荒らし)
身の回り品特約が適用されないケースとしては以下のケースなどがあります。
- 事故ではなく単なる車の故障による損傷
- 自然劣化によるサビや傷など
- 盗難ではなく紛失
- 保険会社により車上荒らしも適用外
このように基本的に身の回り品特約は、あくまで事故が原因で身の回りの物が破損した場合のみ適用となります。
故意や重大な過失があって事故が起こり、身の回りの物が損害を受けた場合も適用にならない場合もあるので注意しましょう。
車内身の回り品特約で『補償される物』『補償されない物』一覧
- 車内に積んでいた食器や花瓶など
- 車内に積んでいたサーフボードやスキー板
- カーナビやドライブレコーダー
- 車内においておいたカメラ・ビデオカメラ
- キャリアに固定されていたモノ
- 詐欺または横領
- 身の回り品に存在する欠陥、腐食、その他自然の消耗
- 通貨、有価証券、貴金属、骨董、電子マネー、クレジットカードなど
- 携帯電話・スマートフォン
自動車に”装備(固定)”されているカーナビは補償対象外(※例外あり)
車内身の回り品特約では自動車に装備されているものに関しては基本的に補償されません。例えばオーディオ機器やカーナビについては車に固定されている装備の一部という理由から補償されません。ただ例外があります。
補償されないカーナビ | 純正など初めからダッシュボードに組み込まれているカーナビ |
---|---|
補償されるカーナビ | 後からつけられたダッシュボード等に載せるようなタイプのカーナビ |
ただ後付けされたカーナビでも、ダッシュボードに組み込むようなタイプだと補償の対象となる保険会社もあります。
車内身の回り品特約の保険料はいくらなの?対する補償額はいくら?
車内身の回り品特約は自動付帯されるタイプの特約ではないため、付帯すると保険料が高くなります。保険会社や補償金額、等級によって保険料は異なりますが、一般的に年間で数百円から2,000円程度となることが多いようです。
また身の回り品の損害額すべてを補償されるわけでなく、保険会社によって設定できますし、上限が設けられています。上限については以下の通りです。
- 10万円
- 30万円
- 50万円
ただし保険会社によっては50万円や100万円まで補償されるケースもあるようです。ただし、身の回り品特約の補償は、免責金額があり一般的に一事故につき5,000円負担しなければいけません。
また補償額は基本的に時価額となるため、新品に買い替えられる金額が支払われるわけではないので注意しましょう。
【大手保険会社16社】車内身の回り品特約の補償金額&免責金額《一覧表》
保険会社 | 補償金額&免責金額 |
---|---|
ソニー損害保険 | 保険金額が限度 |
共栄火災海上保険 | 30万円が限度 |
東京海上日動火災保険 | 不明 |
チューリッヒ保険 | 保険金額が限度 |
セゾン自動車火災保険 | 設定金額による(10万円・30万円・50万円) |
アクサ損害保険(アクサダイレクト) | 10万円が限度 |
AIG損害保険 | 30万円が限度 |
損保ジャパン日本興亜 | 30万円が限度 |
イーデザイン損害保険 | 30万円が限度 |
日新火災海上保険 | 不明 |
三井住友海上火災保険 | 10万円が限度 |
SBI損害保険 | 30万円が限度 |
あいおいニッセイ同和損害保険 | 30万円が限度 |
全労災 | 不明 |
楽天損害保険 | 30万円が限度 |
三井ダイレクト損害保険 | 保険金額が限度 |
車内身の回り品特約の利用で等級は下がるのか?
一般的に車両保険を使うと翌年の等級は1等級または3等級ダウンしてしまいます。では、車内身の回り品特約を利用したら等級が下がるのか気になるところでしょう。車内身の回り特約を使った場合、以下のいずれかの対応となります。
- ノーカウント事故
- 1等級ダウン事故
- 3等級ダウン事故
車内身の回り品特約を使った場合の等級は、保険会社によって対応が異なりますが基本的にノーカウント事故か1等級ダウン事故となります。
ただ実際は車内身の回り品特約を使う場合には車両保険も使うのでノーカウント事故ということはないでしょう。
ただ保険会社によっては、車上荒らしで身の回り品が盗難に遭った時にも補償されるので、車の損害がなければノーカウント事故となることもあるでしょう。
【大手保険会社16社】車内身の回り品特約の使用による等級への影響《一覧表》
保険会社 | 等級 |
---|---|
ソニー損害保険 | 1等級ダウン事故 |
共栄火災海上保険 | 不明 |
東京海上日動火災保険 | 不明 |
チューリッヒ保険 | 1等級ダウン事故 |
セゾン自動車火災保険 | 1等級ダウン事故 |
アクサ損害保険(アクサダイレクト) | 不明 |
AIG損害保険 | 不明 |
損保ジャパン日本興亜 | 1等級ダウン事故 |
イーデザイン損害保険 | 不明 |
日新火災海上保険 | 不明 |
三井住友海上火災保険 | 不明 |
SBI損害保険 | ノーカウント |
あいおいニッセイ同和損害保険 | ノーカウント |
全労災 | 不明 |
楽天損害保険 | 不明 |
三井ダイレクト損害保険 | ノーカウント |
車内身の回り品特約の必要性は?携行品損害などの補償との重複に注意して
車内身の回り品特約を付けるべきか否かは、人それぞれと言ったところでしょう。基本的に常に車に車内身の回り品特約の対象となる高価なものを入れておくような人は、保険料も高くはないので万が一に備えて付帯したほうがいいでしょう。
逆に、特に高価なものを車に入れておく機会が少ないという方にとっては必要はないかもしれません。もちろん旅行などで遠出する時にはビデオカメラやスキー・スノーボード、ゴルフクラブなどを載せることもあるでしょう。
そんな時だけなら旅行保険の携行品損害などがあるので、そちらで補償することもできます。もし旅行保険に加入するなら補償が重複してしまうので必要ないでしょう。またクレジットカードにも携行品損害が付いていることもあるので確認してみましょう。
まとめ
車内身の回り品特約は車の事故に遭った時に、車内に置いていたものが破損してしまった場合に修理費用などを補償してくれる便利な特約です。特にいつも高価なものを車に積んでいるような方は加入しておくと安心です。
逆に、特に高価なものを積まない人は不要な特約です。ただ、車内身の回り品特約は対象となる物や補償されないケース、補償金額も異なります。ですので、加入を検討している方はよく補償内容を確認してみる必要があります。