【保存版】自動車保険の正しい等級引継ぎ・継承方法《完全ガイド》
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自動車保険の保険料を節約する方法の1つが等級の引継ぎです。簡単にお伝えすると、父親の自動車保険の等級を息子に継承するといったものです。息子の年齢が若い場合、どうしても保険料が高くなってしまいます。
そこで父親の等級が高ければ、引継ぎをすることで保険料を節約できるのです。父親の方もまだ車に乗るのなら、自動車保険に新規加入すれば問題ありません。
この時に父親の方は年齢が高いので、息子ほど保険料が高くなりません。では等級の引継ぎについて詳しく見ていきましょう。
【絶対条件】自動車保険の等級引継ぎ・継承が可能な期間(満期日から7日間)
等級の引継ぎをすることで保険料の節約ができます。しかしいつでも等級を継承できるわけではありません。いくつか条件があるのですが、その中でも最も重要なのが期間です。実は等級の引継ぎができる期間というのが決まっています。
それは新しく契約する自動車保険の始期日が、以前の契約の満期日もしくは満期日の翌日から7日以内、という決まりがあるのです。この7日を超えてしまうと、他の条件をみたしていても等級の引継ぎができません。
ちなみにこの7日を等級継承期間とも言います。これは絶対条件になりますので等級の引継ぎを考えているのなら保険が切れる前から、きちんと相談をしておきましょう。
家族・親子間で自動車保険の等級引継ぎ・継承する方法と条件
では等級の引継ぎをする方法を紹介しておきましょう。難しい手続きが必要と思うかもしれませんが、実はそこまで面倒なことはありません。基本的には保険会社に連絡をして、必要書類を用意するという形になります。
ここでは一般的なモデルケースである、息子が新車を購入した場合の手順をみます。
- 新車の納車日を確認して、車検証を用意する
- 保険会社に新車に車両入替をしたいと連絡する
- 新車の記名被保険者を息子に、保険名義も息子に変更
- 親の車は新規で自動車保険の契約をする
というような流れで行います。
家族・親子間の等級引継ぎ・継承は”同居”が条件(別居は引き継ぎできない)
等級の引継ぎをするには、家族や親子間でなければいけません。この条件が実は詳しく規定されているのです。
- 契約者の配偶者
- 同居する親子
- 同居する親戚
- 同居する配偶者の姻族
上記の条件となっています。詳しくは記名被保険者の6親等以内の血族となるのですが、身近な親戚のことだと考えておいていいです。
ここでポイントになるのは同居している点でしょう。息子や配偶者、親戚といった存在でも、別居していると等級の引継ぎはできません。ただ同居中に等級の引継ぎをして、その後に別居したとしても大丈夫です。
就職や転職などをきっかけに、子どもが家を出るのが決まっているのなら、引継ぎをするまでは実家にいるというのも方法の1つでしょう。別居してからでは引継ぎができないのを頭に入れておいてください。
家族同居の証明をするなら住民票ではなく”実態”が重要
ここで1つ気になるのが、等級の引継ぎをする家族が同居しているかどうかは、どうやって判断するのかでしょう。住民票がいるのではと思う人も多いでしょうが、実は不要です。
保険会社は住民票で判断をしません。生活拠点で判断をします。保険会社にもよるのですが、等級の引継ぎをしたいと連絡をした時、その場で確認されるだけで終わるケースがほとんどです。
ただ2世帯住宅の場合は注意が必要になります。玄関でしか行き来がないような場合は、同居ではないと判断されるケースがあるからです。
夫婦間(配偶者)の場合は同居・別居関係なしで引き継げる
等級の引継ぎとは、極論をすれば記名被保険者を誰にするか、という問題になります。つまり自動車保険の名義変更をすると考えて良いでしょう。
ここで先ほどから同居を条件とお伝えしていますが、実は夫婦間のみは扱いが異なります。夫婦の場合は同居か別居かは関係ありません。
同居する家族と考えると混同しがちですが、実は別居していても夫婦間であれば名義の変更ができます。仮に夫が単身赴任で別居をしていると場合でも、夫婦間であれば等級の引継ぎは可能です。
結婚・離婚・別居は等級引継ぎNG(別居の子供は未婚・既婚ダメ)
では逆に等級の引継ぎができないケースを考えてみましょう。
- 結婚をして家を出た
- 離婚をした
- 別居の子ども
という形になっています。それぞれに解説をしましょう。結婚をして実家を出たという場合は、当然ですが実家の父親の等級を引き継ぐことができません。別居の子どもに該当するからです。
反対に離婚をしたというケースでは、夫の等級を引き継ぎできないとなります。結婚をした場合と離婚をした場合では、等級の引継ぎ相手が異なる点に注意をしておきましょう。
保険会社間の自動車保険の等級引継ぎ(他社へ乗り換え)方法
等級の引継ぎですが、異なる保険会社間ではどうでしょうか。以前の自動車保険と同じ保険会社でなければ、等級の引継ぎはできないのではと考える人も多いです。しかし実際には異なる保険会社間でも等級の引継ぎは問題なく行えます。
ダイレクト型保険でも代理店型保険でも、新旧の保険会社に関係なく等級の引継ぎが行えるのです。ただし気をつけたいのが、7日間の等級継承期間でしょう。この期間内でなければ等級の引継ぎができません。
また共済が提供する自動車保険の場合は、等級の引継ぎができないケースもあるそうです。では詳しく見ていきましょう。
保険会社間で等級引継ぎ・継承を行う手続きの流れ&必要書類
保険会社間で等級の引継ぎを行う場合は、どのような書類が必要になるのでしょうか。
- 現在加入している自動車保険の証券
- 車検証
- 運転免許証
この3つの書類が必要となります。手続きの手順も紹介します。
- 現在加入している自動車保険を解約する
- 乗り換え先の自動車保険に加入する
- この時に等級の引継ぎをしたい旨を伝える
- 必要書類に記入をして手続きをすませる
流れとしては現在加入している自動車保険を解約して、新規で新しく契約するという形です。その中で等級の引継ぎを行いましょう。
ただ先にもお伝えしていますが、等級継承期間が7日間と決まっていますので、早めに準備をしておくべきです。毎日車を乗るようでしたら、空白期間ができないようにしておきましょう。
共済から損保への等級引継ぎができない場合がある
一般的な自動車保険を提供しているのは、損害保険会社です。この損害保険会社間であれば、等級の引継ぎは問題なく行うことができます。
しかし共済の場合は等級の引継ぎができない場合があるのです。保険会社間では等級の情報を共有していますが、共済とは行っていないのが理由になります。
- 教職員共済
- 町村職員共済
- 都市職員共済
といったような共済が提供する自動車保険では、ほぼ等級の引継ぎができません。反対に共済でもできるものがあります。
- JAの共済
- 全労済
の2つであれば、損害保険会社への等級引継ぎができます。ただ詳細については個別で確認をとった方がいいでしょう。そのため損害保険会社に切り替えるのなら、事前に確認を取るべきです。
等級引継ぎでどれくらい保険料が安くなるのか?
等級 | 無事故の場合 | 事故有の場合 |
---|---|---|
1等級 | 約60%割増 | |
2等級 | 約30%割増 | |
3等級 | 約10%割増 | |
4等級 | 数%割引 | |
5等級 | 約10%割引 | |
6等級 | 約20%割引 | |
7等級 | 約30%割引 | 約20%割引 |
8等級 | 約40%割引 | 約20%割引 |
9等級 | 約40%割引 | 約20%割引 |
10等級 | 約45%割引 | 約20%割引 |
11等級 | 約50%割引 | 約25%割引 |
2等級 | 約50%割引 | 約30%割引 |
13等級 | 約50%割引 | 約30%割引 |
14等級 | 約50%割引 | 約30%割引 |
15等級 | 約50%割引 | 約30%割引 |
16等級 | 約50%割引 | 約40%割引 |
17等級 | 約50%割引 | 約40%割引 |
18等級 | 約50%割引 | 約40%割引 |
19等級 | 約60%割引 | 約40%割引 |
20等級 | 約60%割引 | 約40%割引 |
自動車保険で等級引継ぎできないケースと注意点
では自動車保険の等級引継ぎが、できないケースも考えてみましょう。注意点として知っておけば、等級の引継ぎができないというケースを減らせます。既にお伝えしていることも多いのですが、引継ぎできないケースをまとめていきましょう。
【1】満期日・解約日から7日間以上経過している(等級失効)
自動車保険の等級引継ぎができないケースとして、最初にあげておきたいのが等級継承期間を過ぎた場合です。
以前の保険の満期日から、新しい保険の始期日まで7日以内でなければ、等級の引継ぎができません。8日以上過ぎてしまうと、6等級にまで戻ってしまいます。
せっかくの等級がなかったことになりますので、満期日にスムーズに引継ぎができるようにしておくべきです。1つの目安としては、満期日の2ヶ月ほど前に手続きをしておくといいでしょう。
【2】譲り受けた車の等級は引き継げない
次に友人や知人から車を譲り受けた場合です。この時に友人や知人から等級の引継ぎができるのかですが、これはできません。何度もお伝えしていますが等級の引継ぎができるのは親族間に限られるからです。
ただし自分自身が所有する車があって、その車を廃車したとしましょう。このタイミングで車を譲り受けるという場合は、車両入替の手続きをすることで等級の引継ぎを行うことができます。
これは意外と知られていませんので、覚えておいて損はないでしょう。
【3】追加購入(2台目)の車は等級引き継ぎNG(新車や買い替えは車両入替OK)
次に記名被保険者が、車を追加で購入した場合を考えましょう。2台目の車を追加するといった場合、等級の引継ぎはできません。自動車保険は車に対しての保険です。そのため車両入替をしなければ、等級の引継ぎはできません。
ちなみに現在の自動車保険の等級が11等級以上であれば、セカンドカー割引を利用できます。この場合、2台目の車は7等級からスタートさせられます。少し保険料が安くなるでしょう。またミニフリート割引きを利用するのも方法の1つです。
【4】法人から個人への等級引継ぎ・継承はできない
法人名義の自動車保険から、個人名義の自動車保険への等級の引継ぎもできません。これは個人と法人とでは保険のリスクそのものが異なるからです。保険として別物ですから、等級の引継ぎは原則としてできません。
ただし例外となるケースもあります。
- 法人契約の記名被保険者が個人となっている
- 先の条件に該当している前提で、個人契約と変更した時の記名被保険者が同じ、もしくは配偶者か同居の親族とした
このようなケースでは、等級の引継ぎができます。
【5】新車や買い替え後等級は引き継げる(車両入替)
同じ記名被保険者が車を追加購入した場合でも、新車であったり買い換えであるのなら等級を引き継ぐことができます。これは車両入替という手法を使うからです。
- 19等級のA車
- 7等級のB車
B車が新車だとして、もともとの自動車保険が11等級以上ですから7等級のスタートができます。この時に車両入替を使うとこうなります。
- 19等級のB車
- 7等級のA車
A車が保険料の安い軽自動車で、B車が保険料が高くなりがちな普通自動車とします。この車両入替を使うことで、保険料の節約ができます。
【6】損保の他社間で情報共有あり(等級引継ぎに嘘はつけない)
等級の引継ぎを使えば、場合によっては悪用できると考える人もいるかもしれません。仮に事故などを起こしてしまって5等級以下となった場合、かなり割増な保険料を支払うことになります。
この時に新規契約をすれば、等級がリセットされるのではというケースです。この方法ですが行うことはできません。自動車保険の等級は保険会社間で共有されているからです。
仮に事故を起こした保険を解約して、別会社と契約をしても等級はそのままになります。また契約者には告知義務が課せられています。告知義務とは虚偽の申告をしないというものです。虚偽の申告が発覚した場合は、保険金が支払われなくなります。
ちなみに等級の保存は解約から13ヶ月ですので、14ヶ月以上期間を空ければリセットができるでしょう。その間は任意保険なしとなるので注意しなくてはいけません。
等級を引き継ぐ相手がいない場合は「中断証明書」で休止
では等級を引き継ぐ相手がいない場合はどうでしょうか。仮に長期の海外出張が決まってしまったというような場合、引き継ぐ相手が居なければせっかくの等級がリセットされてしまいます。そうした時は自動車保険の中断を利用しましょう。
事情によって車を手放す、廃車にするといった時に中断手続きをしておくと、最長で10年間は等級を保持してくれます。
手続きをすれば中断証明書が発行されますので、再開する時は証明書を提出するようにしてください。ただし証明書の発行には条件があります。
- 自動車保険の解約日から13ヶ月以内であること
- 次回の契約時に等級が7等級以上であること
この2つの条件を満たしていれば、中断証明書を発行してもらえます。ちなみに解約時に発行してもらっていなくても、13ヶ月以内であれば発行をしてもらえるので覚えておきましょう。
自動車保険を解約後13カ月以上経つと中断もできない
自動車保険は解約してから、13ヶ月以上経過すると等級が失効する仕組みになっています。そのため中断手続きを取ろうとしても、13ヶ月を過ぎていると中断することもできません。そのため中断をするのなら、早めに行うようにしておきましょう。
ちなみに中断証明があったとしても、中断期間の期限がきてしまう場合はどうすべきかも紹介します。中断は本人以外でも引継ぎが可能となっています。
ですので中断期間中に状況が変わって、引継ぎする人ができていれば、本人でなくても期間内なら権利を譲渡可能です。
等級引継ぐ前に各社の保険料を一括見積もりで比較しよう
保険料の節約で等級の引継ぎをする人も多いでしょう。しかし等級の引継ぎ以上に、節約できるのが保険料の見直しです。保障内容や特約の内容まで変更するのは大変ですが、実は保険会社を変えるだけでも節約できるケースがあります。
昨今ではダイレクト型保険を筆頭に、様々な企業が損害保険の業界に参入してきています。そこで競争原理から保険料を独自の基準で割引きしている会社が多いのです。そのため保険会社を変えるだけで、保険料が節約できる可能性が高いのです。
そこで利用したいのが、保険会社の一括見積もりです。複数の保険会社に一括して依頼をしてくれますので、効率よく見積もりを集められます。時間の節約にもなりますし、無料で利用できるのもポイントでしょう。