自動車保険の家族限定廃止へ!本人限定の割引率&各社対応【一覧表】
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自動車保険の家族限定特約を廃止する保険会社が増加しているため、新設の進む本人限定への見直しに対して注目が集まっています。
本人限定は保険料の割引率が高い運転者限定特約ですが、これを付帯する場合にはどのようなデメリットが発生するのでしょうか?
運転者限定特約を見直す際の注意点に加えて、見直し時に確かめるべき自動車保険の補償内容についてもご紹介します。自動車保険見直しの機運が高まりつつある今、保険料節約を目指すうえで把握しておきたいポイントを順にチェックしてみましょう。
自動車保険の家族限定廃止!時代は「本人限定特約」に
運転者限定の種類一覧 | 補償範囲の対象 |
---|---|
本人限定 | 記名被保険者 |
夫婦限定 | 記名被保険者+配偶者 |
家族限定(廃止) | 記名被保険者+配偶者+家族 |
限定なし | 記名被保険者+配偶者+家族+友人+知人など全ての人 |
2019年1月に大手損保は自動車保険の運転者限定特約を改定し、上記の表のとおりこれまで選択肢に含まれていた家族限定ですが廃止しました。
近年では単身世帯や核家族世帯が増え、運転者限定特約における家族限定の需要は長期下落傾向にあったことが知られています。
保険料の安さを優先すると家族限定を選ぶメリットは少なく、実際に本人・配偶者限定を選択する利用者の比率は徐々に高まっています。
こうした流れを受けて、大手損保と同様に家族限定を廃止し、その代わりに本人限定特約を新設する保険会社が増えています。運転者限定特約の付帯においては、家族限定よりも本人限定特約が主流な時代になりつつあるでしょう。
本人限定特約とは?どんな保険?デメリットはあるの?
大手損保などが新設する本人限定特約は、補償される運転者を記名被保険者本人に限定して保険料を抑制する運転者限定特約です。
車を運転する記名被保険者は、車検証の名義人である車両所有者や、保険料を支払う保険契約者と必ずしも同一なわけではありません。
記名被保険者が子供であり、車両所有者が父親で保険契約者が母親の場合には、記名被保険者本人に該当する子供だけが事故時の補償を受けられます。
本人限定特約を付帯したうえで車を運転して事故にあったのが記名被保険者本人以外なら、自動車保険の補償を受けられないので注意してください。総じて本人限定特約を付帯する際には、以下のデメリットが発生します。
- 記名被保険者以外が運転して事故にあっても補償を受けられない
- 記名被保険者が不在のときには車の活用をほぼ見込めない
- 記名被保険者が長距離運転で疲れても運転の交代を気軽に行えない
本人限定特約の付帯は車の利便性にも影響しかねないため、一人暮らしの場合や家族で記名被保険者だけが運転免許を持つ場合に向いています。
家族限定・本人限定・配偶者限定の割引率の差額は最大7%程度
保険料の割引を受けられる運転者限定特約の種類と、それぞれに適用される割引率の基準は以下の通りです。
- 記名被保険者本人のみが補償範囲になる本人限定の割引率は7%から8%
- 記名被保険者本人と配偶者が補償範囲になる夫婦限定の割引率は6%から7%
- 記名被保険者本人とその配偶者および家族が補償範囲になる家族限定の割引率は1%
家族限定の補償範囲に当てはまる家族には、同居している親族と別居している未婚の子が含まれます。別居している既婚の子や別居している離婚歴のある子は、家族限定の補償範囲に入りません。
補償範囲が限定されるほど運転者限定特約で保険料の割引は行われ、最も割引率の基準が高い本人限定は7%から8%になっています。廃止が進んでいる家族限定の割引率は1%ほどに過ぎず、本人限定との差額は最大7%もあります。
割引率を公表している保険会社がいくつかあるので比較表を作ってみました。ぜひチェックしてください。
保険会社 | 本人限定 | 夫婦限定 |
---|---|---|
共栄火災海上保険 | 割引率6% | 割引率6% |
損保ジャパン日本興亜 | 割引率約7% | 割引率6% |
三井住友海上火災保険 | 割引率8% | 割引率6% |
あいおいニッセイ同和損害保険 | 割引率8% | 割引率6% |
楽天損害保険 | 割引率約7% | 割引率約6% |
一目でわかる!本人限定を採用している大手保険会社16社一覧表
保険会社一覧 | 割引率の採用・不採用 | |
---|---|---|
本人限定 | 本人・配偶者限定 | |
ソニー損害保険 | 不明 | ○(割引率6%) |
共栄火災海上保険 | ○(割引率6%) | ○(割引率6%) |
東京海上日動火災保険 | ○ | ○ |
チューリッヒ保険 | × | ○ |
セゾン自動車火災保険 | ○ | × |
アクサ損害保険(アクサダイレクト) | ○ | ○ |
AIG損害保険 | 不明 | 不明 |
損保ジャパン日本興亜 | ○(割引率約7%) | ○(割引率6%) |
イーデザイン損害保険 | ○ | ○ |
日新火災海上保険 | × | ○(割引率7%) |
三井住友海上火災保険 | ○(割引率8%) | ○(割引率6%) |
SBI損害保険 | ○(割引率約8%) | ○ |
あいおいニッセイ同和損害保険 | ○(割引率8%) | ○(割引率6%) |
セコム損害保険 | ○ | ○ |
楽天損害保険 | ○(割引率約7%) | ○(割引率約6%) |
三井ダイレクト損害保険 | 不明 | ○ |
本人限定割引を受けている場合に『注意すべき3つのこと』
自動車保険で本人限定割引や家族限定割引を受けている場合には、保険料の割引といったメリットを重視している場合が多いかもしれません。
メリットに注目が集まりやすいものの、運転者限定特約を付帯しているのであれば、補償範囲など3つの要因に注意を払いましょう。
本人限定の場合は同乗者・他人の運転は補償されない
自動車保険で運転者限定特約の本人限定を付帯すると、当然ながら記名被保険者本人ではない他人は補償の対象になりません。本人限定はあくまでも記名被保険者本人だけが補償範囲ですから、親族や友人といった本人以外は全て補償範囲から外れてしまいます。
これでは他人に車の運転を任せられないようですが、以下のどちらかを友人や知人などが満たしている場合には車の運転を交代してもらえます。
- 自動車保険の他車運転特約で補償を受けている
- 自動車保険のドライバー保険に加入している
他車運転特約は、記名被保険者とその家族が他人の車を運転している際に起きた事故の損害を補償する特約です。友人や知人が他車運転特約を付帯した自動車保険に加入していれば、運転を任せたときに事故が起きても一定の補償を受けられます。
ドライバー保険は自動車を持たない人の自動車保険になるため、所有車の運転を望む友人や知人にはドライバー保険に入ってもらいましょう。
運転代行でドライバーが事故を起こしたら保険適用外
格安で営業している運転代行業者は数多く、飲酒運転の厳罰化が進んだ現在では運転代行の需要が高まっています。交通手段の限られる地方では運転代行を重宝しますが、運転代行のドライバーは利用者の車を運転するので注意しなければいけません。
もしも運転代行のドライバーが事故を起こした場合には、任意保険に加入していても保険適用外になります。さらに民法では使用者等の責任といった項目も存在しますから、業者が事故を起こすと利用者にも損害賠償の責任は生じます。
とはいえ、運転代行業者は損害賠償責任保険に加入していますし、被害者が運転代行の利用者に損害賠償を請求する心配はありません。
運転代行のドライバーが事故を起こしても任意保険の適用外ですが、正規の運転代行業者なら安心して運転を任せられるでしょう。
家族限定割引を受けている場合は「限定なし」の保険料で試算
既に家族限定割引を受けている場合には、家族限定の廃止と更新にあわせて限定なしの保険料で試算される可能性があります。限定なしは運転者を限定しないため、限定なしになると配偶者や家族に限らず、他人が車を運転しても補償の対象に数えられます。
従業員に車を運転させる場合や、別居した既婚の子などに運転を任せたい場合には、限定なしが家族限定よりも適しています。ただし、限定なしでは補償範囲が限られませんので、自動車保険における保険料の割引は期待できません。
家族限定の廃止で限定なしになってしまうのなら、更新時に本人限定や夫婦限定への見直しを検討する方法が推奨されます。普段からドライバーひとりで車を運転している際には、本人限定を選ぶことで大幅な保険料の割引を受けられるでしょう。
自動車保険は補償内容見直しで補償範囲を変えれる
自動車保険では限定特約や年齢条件で運転者の範囲が決まるものの、補償内容の見直しをしても補償範囲は変えることができます。もちろん補償内容の見直しは簡単に手続き可能であって、保険料の節約を目指すうえでも大いに役立てられます。
持ち主が本人限定でも他車運転に加入している他人なら安心
自動車保険で本人限定を付帯していても、他車運転特約に加入していれば、記名被保険者の家族は車の運転を行えます。他車運転特約に加入している場合に限り、記名被保険者およびその家族が運転できる車は以下の通りです。
- 自家用普通乗用車と自家用小型乗用車
- 自家用軽四輪乗用車と自家用軽四輪貨物車
- 自家用小型貨物車と規定を満たした自家用普通貨物車
- 特殊用途自動車
別居している既婚の子が持つ車や、友人や知人から借りた車なら記名被保険者とその家族は運転できるでしょう。
記名被保険者本人とその家族が所有している車は、本人限定によって記名被保険者しか運転できないので気をつけてください。
補償内容を見直して保険料をお得に節約する
自動車保険の補償内容を幅広く見直せる場合には、保険料をお得に節約することも夢ではありません。運転者限定特約を本人限定や夫婦限定にすれば保険料の割引を受けられますし、車両保険をエコノミーに切り替えても保険料は軽減できます。
自動車保険には複数の車両を対象にした補償内容もありますから、このような重複補償を避けることでも保険料は安くなります。補償内容を比較して保険会社そのものを見直す方法や、不要な車を売却して最適な補償内容を見極める方法もあっています。
補償内容や無駄な保険料を見直すことができ、誰でも簡単に安くてお得な自動車保険を選ぶなら一括見積もりがおすすめです。
まとめ
大手損保などが家族限定を廃止する代わりに新設した本人限定は、補償される運転者を記名被保険者本人に限定する運転者限定特約です。
運転者の範囲が記名被保険者本人に限られる一方で、本人限定には保険料が最大8%ほど割引されるメリットが備わっています。本人限定を付帯すると記名被保険者の家族は所有車を運転できませんが、他車運転特約に加入すれば車の運転そのものは行えます。
運転者限定特約を家族限定から本人限定に見直す場合には、自動車保険の補償内容を同時に再確認して保険料の節約を心がけましょう。