「育英費用特約は必要ない…」補償内容や範囲から考える車保険特約!
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自動車事故では運悪く子供のいる親御さんが亡くなってしまうケースもあります。自動車保険の育英費用特約は、そんな時に子供の養育費として保険金が支払われる特約です。
残された家族のために加入していると安心でしょう。ただたいていの人はそういった子供に対しての養育費は、生命保険や学資保険などで準備しているはずです。
そのため必要性は感じないという方もいるでしょう。ただ保険料も安いので、補償内容をよく見て検討してみましょう。
自動車保険『育英費用特約』とは?
自動車事故では、子供がいる親御さんが事故で亡くなってしまったり、後遺障害が残ってしまうケースもあります。親権者からの収入が得られなくなるため、残された家族が路頭に迷うなんてことも考えられます。
そんな時に自動車保険の育英費用特約に加入していると、子供の養育費として保険金が支払われます。子供が成人するまでには2,000万円前後かかるといわれていますから、支払われる保険金があれば相当な足しになるはずです。
育英費用特約が適用になるケースは以下の通りです。
- 死亡や重度後遺障害の原因が事故によるものである
- 子供の親権を持っている
- 子供が未婚である
- 無免許・飲酒運転など法律違反を犯していない
- 人身傷害保険の支払いがある事故である
- 故意や重大な過失がない事故である
育英費用特約の補償範囲は「人身傷害保険補償対象となる人の子供」
育英費用特約は人身傷害補償保険補償の支払い対象となる人で、子供を養育していることが条件となります。
基本的に人身傷害補償保険はその車に同乗している方が支払い対象となるため、育英費用特約も同様に補償範囲は広いです。
育英費用特約の補償範囲 | 被保険者 |
---|---|
内縁を含む被保険者の配偶者 | |
同乗していた他人 |
このように、被保険者やその家族に限ったことではなく、同乗していた方なら誰にでも保険金が支払われる特約です。
あくまで子供の養育費として支払われる保険金ですから、子供がいない方や大きくなった子供がいる方は対象から外れてしまいます。
例えば小学校のPTA役員を乗せて事故を起こし、同乗者全員が死亡または後遺障害が残った場合は、すべての方に支給されることでしょう。
育英費用特約の補償金額
育英費用特約に加入していると、その対象となれば保険金を受け取ることができます。補償金額に関しては、保険会社によって若干異なります。以下が育英費用特約の主な補償金額となります。
育英費用特約の補償金額 | 子供1人に対し100万円 |
---|---|
子供1人に対し500万円 | |
子供1人に対し、年齢によって200万円から650万円 | |
扶養している親族1人に対し100万円 |
このように保険会社によって補償金額は異なりますが、一般的には子供1人に対して500万円の保険金が支払われるケースが多いようです。
例えば、亡くなった方の子供が3人いる場合は500万円×3人で1,500万円しはらわれます。また育英費用特約の補償金額は損害額に関わらず定額で支給されるのが一般的です。
【大手保険会社9社】育英費用特約の補償金額と対象一覧表
保険会社 | 補償限度額 | 補償範囲 |
---|---|---|
ソニー損害保険 | 1人あたり500万円 | 18歳未満の子供を扶養している方 |
東京海上日動火災保険 | 不明 | 被保険者の扶養者 |
チューリッヒ保険 | 1人あたり100万円 | 被保険者の家族(配偶者・父母・子) |
セゾン自動車火災保険 | 1人あたり200万~600万円 | 19歳未満の未婚の子供 |
アクサ損害保険(アクサダイレクト) | 医療保険金の2倍補償 | 18歳未満の子供 |
損保ジャパン日本興亜 | 保険金額の全額をお支払い | 不明 |
イーデザイン損害保険 | 1人あたり500万円 | 15歳未満の子供 |
三井住友海上火災保険 | 1人あたり1,000万円 | 保険期間の末日において満 23 才未満の方 |
あいおいニッセイ同和損害保険 | 1人あたり500万円 | 18歳未満の子供 |
育英費用特約に加入する際の保険料は「年間数百円」
育英費用特約に加入すれば、自動車保険の保険料はその分アップします。ただし、追加となる保険料は一般的に年間数百円程度です。それくらいの保険料であれば、あまり支払いの負担にはならないでしょう。
しかも保険に加入している方の子供の人数と保険料は関係がないので、使わなかったとしても気にならない額でしょう。
もしも使った場合には子供1人あたり500万円ですから、年間数百円しか支払っていないことを考えると手厚い補償といえます。
育英費用特約の必要性は正直低い…他の保険との兼ね合いをチェック
育英費用特約は年間数百円という安価で加入できる特約ですから、加入しても大きな負担にはならないでしょう。ただ現実的には必要性は低いと言わざるをえません。その理由をいくつか挙げてみましょう。
- 子供の養育費は、加入している生命保険等で賄える
- 親権者が死亡した場合、子供は18歳になるまで遺族年金が受け取れる
- 小さい子供がいる親御さんの年齢は、事故で亡くなるケースが少ない
当たり前ですが、育英費用特約は自動車事故のみ対象となります。これだけでは残された家族の養育費としては不十分ですから、ほとんどの方が生命保険や学資保険に加入しているでしょう。
お金はあるに越したことはありませんから、加入したほうがいいのは間違いありませんが、なくても困らない特約でもあります。
まとめ
育英費用特約は、子供がいる親御さんが自動車事故が原因で亡くなった時や後遺障害が残った場合、子供の養育費として保険金が支払われる特約です。万が一の時は助かりますが、実際は生命保険等でカバーできるので、必要性は高いとは言えません。
それでも保険料は年間数百円程度で、仮に20年間保険料を支払ったとしても数千円程度のものです。少しでも保険料を安くしたいという方は付けないという選択肢もあるでしょうが、補償内容をよく確認して検討してみましょう。