自動車保険のミカタ

健康保険証

交通事故の治療に健康保険は使える?メリット・デメリット【まとめ】

交通事故の被害に遭った場合、治療費はどのように賄うことになるか知っていますか?おそらくほとんどの方が、自動車保険で賄われるので治療費は支払う必要がない、と答えることでしょう。

自動車保険には自賠責保険と任意保険の2種類がありますが、交通事故でケガをした場合、それらの保険から補償されるというのは間違っていません。よく忘れられがちなのが、健康保険を利用して治療を受ける方法です。

もしかしたら交通事故では健康保険は使えないと思っている方も多いかもしれませんし、そのようにだれかから言われたこともあることでしょう。この点で正しい知識を身に着けておくことはとても大切です。なぜなら治療費と補償は切っても切り離せない関係にあるからです。

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そもそも健康保険ってなに?

健康保険とはどのような制度なのでしょうか。日本は厚生労働省が国民皆保険制度を管轄しています。つまり国民全員が何らかの健康保険に加入し、医療機関を受診した際の治療費が割安で済むようになっています。

国民皆保険制度の根幹をなすのが国民健康保険です。国民健康保険とは自営業者や仕事をしていない人、会社を退職した年金生活者が加入する健康保険制度で、市区町村が運営する健康保険制度です。

国民健康保険の保険料は収入に応じて決まります。収入が多くなればなるほど保険料は増え、逆に収入が少ないとそれに比例して保険料が減額されます。

社会保険(協会けんぽや組合健保)とは、企業に勤めている人が加入できる健康保険制度です。社会保険制度と国民健康保険制度の違いは、保険料負担です。社会保険は企業と加入者双方が保険料を折半することになっています。

公務員が加入する健康保険を共済組合と呼びます。保険料は協会けんぽと同様で加入者と組合とで折半して支払います。三つの基本的な健康保険のうち、最も給付率が高い保険制度です。

交通事故の治療費は誰が払うのか?

お金が出ていく

交通事故の被害に遭った場合、治療費はいったい誰が支払うことになるのでしょうか。

そもそも交通事故にさえ遭わなければ治療費を支払う必要はなかったはずですから、被害者が治療費を支払うというのは道理に反します。

交通事故の被害者には加害者に対して、賠償請求権と呼ばれる権利が自動的に付与されます。賠償請求権というのは、被害者が加害者に対して交通事故で被った被害額を請求する権利のことです。

賠償請求権にはケガの治療費のほかに、慰謝料などの請求権も含まれています。つまり、交通事故でケガをした場合の治療費は、ケガをした本人ではなく、交通事故の加害者が行うべきであると言えるのです。但し交通事故の状況によっては状況が異なります。

加害者の過失が大きい場合は被害者の任意保険ですぐに支払ってくれる

交通事故の被害者にあった場合、加害者には被害者の救命義務が課せられます。加害者は負傷者の応急手当を行ったり、救急車を手配したりする必要があるのです。

救急車を呼ばなかったり、救命義務を怠ったりした場合には厳罰が科せられます。

交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。

加害者が救急車を呼ぶか病院に被害者を連れていく際、被害者が治療費を支払う必要はありません。もし加害者が任意保険に加入しているのであれば、被害者の治療費はすべて自動車保険で賄われます。

被害者の治療が長引く場合や転院する場合、その後の治療費もすべて保険会社が処理を行います。治療にかかる一切の費用がすべて任意保険でカバーされることになりますから、費用面の心配をせずに治療が受けられるのです。

被害者が一時的に治療費を支払うケース

選択

交通事故の被害者になった場合、加害者が被害者に治療費を支払うのが基本ですが、被害者が治療費を立て替え払いするケースもあります。それはどのような場合なのでしょうか。被害者が立て替え払いするケースとは次の通りです。

  1. 加害者が任意保険に加入しておらず自賠責保険のみの補償しかない場合
  2. 被害者の過失割合が大きく過失相殺が行われる場合

上記のケースでは被害者が治療費を立て替え払いしなければなりません。

1.相手が任意保険未加入で自賠責保険のみの場合

日本の任意保険加入率は70%強です。この数値を多いとみるか少ないとみるかは個人によって見方が異なりますが、3台に1台は任意保険に加入していないことになります。

こう考えてみると任意保険に加入していない車と事故に遭う可能性が高いことがわかるでしょう。

仮に相手が任意保険に加入していない場合、自賠責保険による補償になります。この場合、被害者は一旦治療費を立て替え払いし、後日加害者に対して賠償請求を行うことになります。

被害者が任意保険に加入していて、人身傷害補償を付帯している場合、自分で立て替える必要がありません。この場合は人身傷害補償から補償が提供されるため、万一の経済的な出費を抑えられます。

2.被害者の過失割合が大きい場合

交通事故によって加害者と被害者の双方に過失がある場合もあります。例えば信号を無視して交差点を歩行中に車と衝突してしまったといった場合は被害者に対する過失割合が高くなります。

自賠責保険は任意保険とは異なり、過失割合の設定が比較的緩やかです。そのため、過失割合が被害者側に定められたとしても、保険金が全額支払われる場合が少なくありません。

ただし前述のように被害者に重大な過失があると判断される場合、被害者に支払われる保険金は減額されます。そうなると、不足分は自分で支払わなければいけません。日ごろから交通ルールを守ることが大切な理由がお分かりいただけることでしょう。

交通事故の怪我の治療に健康保険が使えないという噂はウソ!

はてな

交通事故で負傷した場合、治療費はどのように扱えばよいのでしょうか。よくある誤解として、交通事故では健康保険が使えないという話があります。これは半分本当で半分ウソだというのはご存知でしょうか。

交通事故の医療費は加害者が負担すべきものですから、加害者が負担すべきなのですが、場合によっては被害者が立て替え払いをしなければならない状況が生じます。

そのような場合、健康保険を使用しなければ自由診療になってしまうため、被害者の負担は大きくなってしまいます。

実は交通事故で被害者が医療費を支払う場合、健康保険を利用してもよいことになっています。

もちろん例外もあるので、例外もしっかり把握しておくことが大切ですが、いわゆる労災扱いでなければ健康保険を利用してもよいことになっているのです。

スーパーワンポイント業務または通勤中は労災保険の扱いになるので健康保険が適用されません。(参照:厚生労働省)

全国健康保険協会のホームページや旧厚生労働省に記載がある

交通事故で健康保険を利用できるのは情報を知っている人だけというのではとても不公平に感じるはずです。実際に関連機関は情報を公開してはいないのでしょうか。そのようなことはありません。

社会保険を運用する全国健康保険協会のWEBサイトには交通事故でも健康保険を利用できるという情報が掲載されています。現在の協会けんぽのホームページを見てみると、健康保険を利用する場合の手続きや注意点も紹介しています。

こうした情報が知られていない背景にあるのが、任意保険の利用です。ほとんどの交通事故では任意保険を利用して補償が提供されるため、特に費用面での心配をする必要がありません。そのため健康保険を利用して交通事故のケガの治療を受けることを知らない人が多いのです。

健康保険を管轄する厚生労働省は交通事故における健康保険の使用を促進する通達を出していますから、今後この点が周知されることで、今のような誤解は徐々になくなっていくことが期待されています。

交通事故で健康保険使用の手続きと必要書類について

自動車保険

健康保険を利用して治療を受ける場合に必要になる書類には次のようなものがあります。但し加入する健康保険により書類が異なることがあるので、窓口で尋ねるようにしてください。

  • 第三者等の行為による傷病届
  • 負傷原因報告書
  • 事故発生状況報告書
  • 損害賠償金納付確約書
  • 同意書

これらの書類は被害者が記入するものと、加害者に記入してもらうものとに分かれています。加害者と示談が成立するとこれらの書類は提出できないため、必ず示談前に提出をしてください。

加害者からの金銭の提供があった場合、健康保険の適用が受けられないこともあるので、金銭授受があった場合には正直に申告してください

治療機関への申し入れ

交通事故で健康保険を利用する場合、治療を受けている医療機関に対して健康保険の利用を伝える必要があります。健康保険を利用する旨の連絡をしなければ自由診療が継続されるため注意が必要です。

医療機関に対しては、窓口で健康保険を利用して治療を継続したいということを伝えてください。後は健康保険による治療に切り替えが行われるため、特に自分で手続きをする必要はありません。

健康保険を適用する際、加入している健康保険証書を提出します。これまで支払った医療費は自己負担分を除き、全額が還付されます。

加入している健康保険の機関への届出

医療機関への届け出とともに必要になるのが健康保険を管轄している機関への書類の提出です。交通事故は原則として加害者が賠償することになりますが、健康保険を利用する場合、賠償請求の方法が通常と異なります。

健康保険を利用する場合には、第三者行為による傷病届という書類を作成して関係する健康保険に提出します。国保の場合は市区町村、社会保険の場合は協会けんぽなどの窓口に提出します。

書類は各窓口に用意してあります。インターネット経由でダウンロードできるものもありますので、前もってホームページを確認しておくとよいでしょう。

健康保険が使えない3つのケース

チェック

交通事故で負傷した場合に自由診療を取るケースが多いですが、健康保険を利用した保険診療に切り替えることができます。健康保険の利用によって治療費を抑えることができるからです。

健康保険を利用して交通事故の怪我の治療を行うことは可能ですが、全ての事例で可能というわけではありません。例外となる事例も存在するので、仮に健康保険を利用できなかったとしても立腹しないようにしてください。

健康保険が利用できないケースは次の通りです。

  1. 業務災害、業務上の事故は労災扱い
  2. 法令違反による交通事故
  3. 第三者行為による事故

1.業務災害、業務上の事故は労災扱い

仕事で車を運転中や業務中に歩行していて交通事故に巻き込まれて負傷した場合、治療費の扱いはどのようになるのでしょうか。業務中の事故は全て業務災害になるため、労災(労働災害)保険が適用されます。

労災を利用する場合、健康保険との併用はできない決まりになっているため、交通事故で保険診療を選びたいと思ったとしても、受け入れられません。

保険診療を選ぶ場合、労災は適用されず、労災保険から給付される補償が受けられなくなります。

つまり労働中の災害の場合、保険診療にするか、労災による補償を利用するかのどちらかを選ばなけれななりません。治療費は労災で補償されるわけですが、慰謝料などの保険金は自動車保険から支払われます。

交通事故で負傷し、通院した場合、労災を利用するかどうかを尋ねられるはずです。その場合は、お勤め先に連絡して労災の適用を申請するようにしましょう。労災が適用されると休業補償などの給付金も支給されます。

2.法令違反による負傷(飲酒運転や無免許運転など)

交通事故で負傷しても健康保険が適用されない別のケースは法令違反を行なった場合です。例えば飲酒運転で交通事故に遭った場合、健康保険は適用されませんし、任意保険も適用されません(ただし対人賠償は適用される)

無免許運転で交通事故を起こした場合や、被害者側であったとしても、無免許運転で事故に巻き込まれた場合、健康保険の補償対象にはなりません。自動車を運転する場合、法令遵守が基本ですから、逸脱した法令違反者に対しては厳しい罰則が科せられます。

罰則の他に、健康保険を利用してケガの治療を受けることができないため、経済的な負担が大きくなります。飲酒運転や無免許運転などは社会通念上遵守すべき法令とみなされるため、健康保険が利用できないということになっています。

車を運転する際には、法令遵守を心がけ、安全運転を行うことが大切だということがお分かりいただけることでしょう。

厚生労働省は「犯罪や自動車事故等による傷病は、医療保険の適用があり、保険給付の対象となる」という内容の通達を出している

なぜ交通事故で負傷した場合の治療において健康保険を利用することができるのでしょうか。その最もな理由が厚生労働省による通達です。厚生労働省は健康保険を監督する官庁ですが、そこが通達を出していることこそが大きな理由なのです。

厚生労働省の通達によると、自動車事故による傷病(負傷)は、医療保険の適用となる旨の記載があります。

犯罪や自動車事故等の被害を受けたことにより生じた傷病は、医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律)において、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象とされています。

引用元:
厚生労働省「犯罪被害や自動車事故等による傷病の保険給付の取扱いについて」
引用元:

これは厚生労働省自らが自動車事故で健康保険を利用することに異論がないことを示唆しています。

厚生労働省の通達があるにもかかわらず自由診療が推進される理由は手続きが煩雑になることが関係しています。

医療機関側としては健康保険への保険請求を省略することで負担を少なくしたいと考える傾向があるのです。

3.第三者の行為による負傷(自分以外の人から怪我をさせられた場合)

第三者の行為による負傷とは傷害事件に巻き込まれたり、交通事故により自分ではない第三者によって負傷することを指しています。第三者の行為による負傷は健康保険の適用対象外になります。

このことを考えると、交通事故に遭った場合、第三者行為に当たるため健康保険は使えないことになります。

ただしそれは加害者に支払い能力がない場合に限ります。加害者が賠償金を支払えないとしたら、被害者がケガの治療ができなくなるからです。

基本的に第三者による負傷の場合、いわゆる加害者が加入する自動車保険で治療費が補償されるため、被害者は治療費を支払う必要がありません。そのような理由で第三者行為については健康保険の適用外とされているのです。

健康保険を断る病院がある

医師

交通事故で負傷した際に健康保険を利用できない稀なケースとして、病院側から健康保険の利用を断られるという事例があります。本来病院は患者の利益を最優先にすべきなのですが、必ずしもそうとは限りません。

その理由として、病院側にとっては健康保険を利用することで保険適用医療のみを実施しなければならず、保険適用とならない自由診療が行えなくなります。

自由診療は医療機関にとって利益が大きいため、保険適用を嫌がることがあるのです。

医療機関から断られた場合、他の医療機関に転院するという選択肢もあります。ただし転院したからといって健康保険が利用できるとは限らないため、転院の前に転院先の病院に問い合わせをしておくと良いでしょう。

高度な治療や特別な治療が難しくなる理由で病院側に拒否される

先程自由診療に関する説明をしましたが、病院が健康保険による交通事故のケガの治療を断る別のケースとして、健康保険の効かない自由診療が行えなくなるという点があります。

これはどのような意味かというと、医療機関は人命第一で治療に当たりますから、場合によっては健康保険が効かない高度医療を実施する場合があります。

しかし健康保険を利用する場合、高度医療が実施できなくなってしまうのです。

任意保険で対人無制限もしくは搭乗者傷害保険や人身傷害保険に加入しているなら、それこそ高度医療を受けることもできるわけですから、治療の幅が広がります。もちろん医療機関の報酬も増えるので、双方にとってメリットがあるのです。

自由診療と保険診療の違いとは?

レントゲン

自由診療とは健康保険を適用せずに診察を受けることを指します。これは患者の希望により自由診療を選択する場合と、いわゆる保険適用外の医療を受ける場合との2種類に分類されます。

自由診療を受けることで、診察の幅が広がります。例えば未承認の新薬の投与や乳房形成術などの治療、高度医療機器にる高度医療の実施などは保険適用外になります。

美容整形なども同様です。交通事故では元の状態へ蘇生するため美容整形術が用いられることもあります。

保険診療とは健康保険を利用して医療費の負担を軽減する診察を指します。普段私たちが医療機関にかかる場合、保険診療を受けることがほとんどでしょう。

保険診療なら負担が少ないというメリットがある反面、医療の幅が制限されるというデメリットもあります。

実際に健康保険の利用を断られた場合の対処法

ポイント

仮に医療機関から健康保険の利用を断られてしまったらどうしたら良いのでしょうか。もちろん任意保険による補償があれば健康保険が適用されなくても費用面で困ることはありません。

それでも健康保険が断られてしまう場合に備えてある程度の知識を身につけておくことが大切です。防衛術を知っておけば、健康保険を継続して適用してもらえる可能性があります。

治療が長くなり相手の任意保険会社の支払いが打ち切られた場合

よくあるケースとしては、治療期間を延ばしてしまったため、相手側の損害保険会社が任意保険による補償を打ち切る場合です。任意保険による補償が打ち切られると、それ以降は自分で医療費を負担しなければなりません。

このような場合、医療機関としても、これ以上健康保険による給付に難色をしめす可能性があります。結果として健康保険の適用を打ち切り、それ以降は自由診療に切り替えられてしまうのです。

自由診療になると医療費が倍以上に跳ね上がります。なぜなら健康保険なら3割負担で済んだものが今度は10割(全額)請求になるからです。こうなると経済面で大変になってしまいます。

【対策1】法律上も制度上も病院側が断っていい理由はないから交渉する

交通事故で負傷した場合、医療機関で健康保険を利用した治療が選択できますが、医療機関によっては保険治療に難色を示す場合があります。そのような場合、どうしたら良いのでしょうか。

保険治療を断られてしまった場合、まずできるのが医療機関と交渉することです。法律上健康保険を利用することは認められていますから、そのことを伝えてみてください。理解がある医療機関なら受け入れてくれることでしょう。

中には自由診療じゃないとケガが完全に治らないと言われるかもしれません。そのような場合は後遺障害認定される可能性があるので、そちらを選択する方法もあります。

後遺障害の場合、受け取れる慰謝料を含め、賠償金額は傷害よりも手厚いからです。

【対策2】病院を変える

医療機関側と交渉したものの、結局健康保険の適用が認められないケースがあります。このような場合、諦める以外に方法はないのでしょうか。

もし医療機関側から断られてしまった場合には、転院を考えることもできるでしょう。他の医療機関なら保険診療を認めてもらえるかもしれないからです。

ただし転院する前に、転院を予定している医療機関と前もって話し合うようにしてください。

転院してもその医療機関で保険診療が適用されるとは限らないので、複数の病院を回ることも必要かもしれません。手間がかかりますが。加害者が自賠責保険しか加入していない場合などはこの方法が有利です。

被害者なのに健康保険を使わないといけないの?

車いす

交通事故に被害にあい、万一負傷した場合、被害者は加害者に対する賠償請求権が発生します。加害者が自動車保険に加入している場合、交通事故の被害者は加害者が加入する自動車保険から補償が受けられるため、治療費は一切支払う必要がありません。

いわゆる第三者行為による受診では健康保険を利用することができないため、被害者が健康保険を利用する機会は少ないように思えることでしょう。それでも、健康保険を利用すべき理由があります。

第三者行為とは加害者側の過失が10割のケースを指します。つまり双方に過失割合が発生する過失相殺では費用の一部を被害者が負担することになるのです。

そのような理由で健康保険を利用した方が良いと言えるのです。

被害者が健康保険利用を拒んでも損するだけ

交通事故の被害者なのだから、自分の健康保険を提示するのは治療費の一部を自分が負担するように思えるのでそのようなことはしたくないと感じるかもしれませんが、果たしてそれは本当に理にかなっているのでしょうか。

先ほども触れましたが、交通事故には過失相殺というものがあり、双方の過失割合に応じて補償額が減額されます。例えば過失割合が7:3の場合、被害者は3割の費用を負担しなければなりません。

3割分は自己負担になるわけですが、人身傷害保険などから補償されるので、事実上医療費を支払う必要はなくなります。それでも、健康保険を利用することにはメリットがあるのです。

過失相殺によって全額治療費の回収をすることは難しい

過失相殺が適用されると、被害者も治療費の一部を負担する必要があります。過失相殺が適用されると費用を回収するのは難しくなります。

その場合、健康保険を利用した方がメリットは大きくなります。その理由として、自賠責保険による補償が挙げられます。

自賠責保険の傷害による損害の補償額は最高で120万円までです。自賠責保険には過失相殺の概念がないため、よほどの過失がない限り被害者の治療費は全て補償されます。それでも、自賠責保険を利用して治療を受ける場合、自由診療になることを忘れてはいけません。

自由診療の場合、治療費負担は10割になるため、健康保険を利用する場合よりも、120万円の補償額を使い果たしてしまうスピードが早くなります。

健康保険を利用することで3割負担になるわけですから、その分だけ治療費を多くかけることが可能です。

健康保険を使用しないメリットとデメリットの差が大きすぎる

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交通事故で負傷し、治療費を自費で支払う場合、自由診療になるので費用は全額自己負担になってしまいます。私たちが医療機関にかかる場合、保険診療となるため治療費は3割負担です。

つまりいつも支払っている医療費は7割引きということになります。

自由診療では治療費が10割負担になることから、支払額が大きくなりその分だけ負担がのしかかります。しかも自賠責保険で補償受ける場合、最高120万円までです。自由診療だとあっという間にその枠を使い果たしてしまいます。

これを回避するのに役立つのが健康保険です。健康保険なら3割負担で済むわけですから、理論上120万円の医療費が発生したとしても負担額は36万です。

これだけ見ても負担額が少なくなることがわかるでしょう。

治療費立替の負担軽減

自費で医療費を立て替える場合、健康保険を利用するならその分だけ支払う医療費が減り、負担が少なくなります。負傷している場合、仕事ができなくなるなどの問題が発生しますから、立て替え払いは家計に大きな影響を与えることになります。

これを回避するために健康保険を活用します。例えば自賠責保険から一時金を受け取ったとしましょう。一時金をより効果的に活用するには、健康保険を利用する以外に良い方法がありません。

3割負担で治療が済むので、一時金の範囲で治療を完了させることも可能な場合があります。このように健康保険を併用することで、治療費を圧縮できるのです。

実際にどれだけの負担が減るのか?

交通事故のケガの治療費を健康保険を利用して支払う場合について、実際に負担がどれくらい減るのかを試算してみるとメリットの大きさがわかります。

治療費は点数によって異なるため、実際の事例は少し異なりますが、大体の金額がわかるだけでも良いでしょう。

社会保険もしくは国民健康保険に加入している場合の費用負担は一律で3割です。私たちが病気やケガなどで受信する場合、3割分の治療費ですみます。

実際にどれくらいの費用がかかっているかを知るためには、領収書をみると良いでしょう。

レセプトには保険点数が記載されています。保険点数に応じて治療費が決まる仕組みになっています。保険点数の計算方法はここでは割愛しますが、実際に確認すべきなのは請求額の欄です。

計算方法は至極簡単です。自由診療の場合とそうでない場合とを比較する場合、次のように計算するだけで良いのです。

  • A.自由診療の治療費
  • B.保険適用の治療費(自由診療×0.3)
  • AB=負担軽減額

この計算式をあなたの実際の治療費に当てはめて計算して見てください。健康保険を利用した方が治療費は確実に安くなることがお分かりいただけることでしょう。

受け取れる慰謝料の金額が高くなる可能性も

交通事故のケガの治療を健康保険を利用して実施する場合、他のメリットとして受け取れる慰謝料の金額が増額される場合があります。自賠責保険の場合、慰謝料の日額が決まっている訳ですが、どのようなカラクリがあるのでしょうか。

自由診療の場合、慰謝料を受け取ったとしても、医療費分を差し引くと、慰謝料の金額は少なくなります。これは過失相殺が行われる場合に発生する事例です。

過失相殺が行われると、被害者も治療費の一部を負担することになります。

ところが健康保険を利用すると、過失相殺が行われたとしても、自己負担分は3割になるため、自由診療よりも負担額が軽減されます。

これにより治療費が慰謝料を「食ってしまう」ことがなくなります。ですから厳密に言えば慰謝料が増えるというのは間違いです。

健康保険を適用する、もしくは適用しない治療費の負担の差

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交通事故の被害者が負傷した場合の治療費を立て替える場合、自由診療と健康保険治療とではどれくらの差が生じるのでしょうか。健康保険の自己負担額は3割ですから、単純に計算すればその差は7割ということになります。

これは過失相殺が行われない場合に限られます。過失相殺が適用されると、被害者側に支払われる補償は過失分だけ減額されるからです。

例えば過失割合が7:3の場合、被害者は3割分を自己負担しなければいけません。

この場合の事例を実際に計算してみることにしましょう。

加害者、被害者双方が任意保険に加入、被害者の過失割合を3割とした場合、差額は次のようになります。(このケースでは被害者の治療費を500万円と仮定します。)

自由診療の場合

  • 医療費:500万円
  • 慰謝料:100万円
  • 過失割合相当額:500万円×0.3=150万円
  • 損害賠償額:500万円 150万円=350万円
  • 受け取れる金額:500万円 350万円 150万円=0
  • 100万円 150万円=△50万円(自己負担)A

保険診療

  • 医療費:250万円(自己負担75万円)
  • 慰謝料:100万円
  • 過失割合相当額:175万円×0.3=52.5万円
  • 損害賠償額:150万円 52.5万円=97.5万円
  • 受け取れる金額:97.5万円 75万円=22.5万円B
  • 差額:A-B=77.5万円

この計算式から明らかな通り、健康保険を利用して治療を受けた方が受け取れる金額が増えるだけでなく、自己負担額も大幅に圧縮できます。

自由診療と保険診療との大きな違いはレセプトの点数です。医療費を見るとよくわかりますが、半額に近い差が生じることがわかります。

この違いを把握すると、健康保険を利用した方がはるかにメリットが大きいことがわかるでしょう。

健康保険を利用する3つのデメリット

メリット・デメリット

交通事故の治療費を健康保険を併用して支払うことで、費用を節約できるだけでなく受け取れる慰謝料の金額への影響も少なくなります。健康保険を利用することにはメリットが大きいと思われがちですが、もちろんデメリットもあります。

健康保険を利用するか、自由診療にするかはご本人の決定に依存するものですから、どちらにするか最終的に決定するのは被害者自身です。

その際、費用面を重視するか、それとも治療内容を重視するかによって状況が変化します。

健康保険を利用するデメリットを把握して適切な治療を選択すると良いでしょう。

1.健康保険には適用される治療の範囲がある

保険診療を選ぶ際の注意点は、治療方法が制限されるということです。どのような意味なのかというと、保険適用対象となる医療行為はあらかじめその種類が定められています。

保険診療を選択した場合、保険適用となる医療を受けることになるため、場合によっては希望する医療が受けられない可能性があります。

例えば美容整形は保険診療の対象ではありません。いわゆる「美容」に関わる部分はケガの治療に当たるわけではないからです。

それでも、交通事故で傷跡が深く残ってしまったとしたら、美容整形で出来るだけ元の状態に戻してほしいと思うのではないでしょうか。

保険診療を選ぶとそのような希望は受け入れてもらえません。ですから慎重に選択するべきなのです。

2.健康保険を使うと診療報酬明細書の開示の手間が掛かるかも

保険診療の別のデメリットは診療報酬明細書の開示に時間がかかるという点です。示談交渉の過程で、慰謝料や賠償金が支払われるためには、診療報酬明細書の提出が義務付けられています。

保険診療の場合、保険適用分と10割負担とを分ける必要があるだけでなく、保険適用隣る医療行為を特定する必要があるため、どうしても開示に時間がかかってしまうのです。

出来るだけ速やかに賠償金を受け取りたいと思う場合、受け取りまでに時間がかかってしまいます。

3.治療費を立替しなければいけない場合も

保険診療を受ける場合、被害者が医療費を立て替え払いしなければいけないケースが多いです。自由診療の場合、保険会社に直接請求を行うため、被害者を挟む必要がなく、請求はスムーズに行われます。

保険診療となるとそうはいきません。一旦費用を立て替えてもらい、後日保険会社から被害者に対して医療費を返還するという方法をとるケースが多いです。

自己負担がどうしても嫌だという場合は、自由診療を選ぶべきです。ある程度自己負担をしても構わないというのであれば、保険診療を選択すると良いでしょう。

メリットとデメリットを比較すると健康保険利用がおすすめ

結局のところ、自由診療と保険診療とではどちらを選ぶのが適切なのでしょうか。どちらを選択するかは被害者にかかっているわけですが、受け取れる賠償額を考えると、多少の手間や時間がかかったとしても、保険診療を選ぶ方が良いでしょう。

健康保険を適用することで、医療費を節約できるだけでなく、賠償額に占める自己負担額も減らせるので、結果的に自分にとってメリットがおおきくなるのです。

もちろん医療機関によっては健康保険の適用を渋るところもあります。それでも、医療を選択する権利は私たちにあるわけですから、医療機関の意思を尊重する必要性はあまりありません。

事故後、途中から健康保険に切り換えは可能か?

打ち合わせ

時折起こる質問として、交通事故後、当初は自由診療を受け入れていたものの、途中から保険診療を選択できるかどうかというものがあります。おそらく、治療の途中で健康保険を適用した方が良いという情報を得たためだと思われます。

このような場合、途中から切り替えることは可能なのでしょうか。自由診療で支払った医療費はどのような扱いになるのでしょうか。切り替えを行なった場合、これまで支払った医療費はどのようになるのでしょうか。医療費の返還はあるのでしょうか。

健康保険に切り替える場合、これらの疑問点をまず考える必要があるでしょう。よくメリットとデメリットを把握した上で、決定することをお勧めいたします。

途中からでも健康保険を適用するのは可能

自由診療の途中から健康保険を利用した保険診療が受けられるのでしょうか。結論から言えばそれは可能です。これはどの医療にも当てはまることですが、希望を伝えることで、保険診療への切り替えを行ってくれます。

健康保険を適用する場合に注意したいのが自由診療で、すでに治療を受けていて、自由診療で行われた医療行為が保険適用ではない場合です。このようなケースでは健康保険は適用されません。

保険適用分は全て健康保険による診察の対象になります。この場合、過去に遡って医療費が返還されます。保険適用分が返ってくるわけですから、その分を今後の医療費の支払いの際に活用することもできます。

過去に遡って払い戻し・返金される

自由診療から保険診療へ切り替えた場合、これまで支払った医療費はどのような扱いになるのでしょうか。基本的に保険診療を選択した場合、過去に遡って保険診療が適用されることになっています。

すでに治療費を支払っている場合、すでに支払った分が返還されるので安心してください。保険診療を受けることのメリットを感じられることでしょう。

医療費の返還までには少し時間がかかる場合がありますが、すでに支払った分は必ず戻ってきます。この場合、適用に関わる手続きは全て診察を受けている医療機関が行いますので、自分で何かをする必要はありません。

治療が長くなり健康保険でも治療費の支払いが苦しくなった場合

請求書

交通事故後のケガの治療が長引いてしまうことは往々にしてあることです。治療を続けているのに痛みがなかなか引かない、気分が優れない、体調が不安定と言った場合もあることでしょう。

このような状況で発生するのが、治療費の打ち切りです。保険会社は一定期間以上治療が続く場合、保険金の支払いを打ち切る場合があります。

これは時効とも関係するわけですが、時効を過ぎて治療を受け続けると、全ての補償がなくなってしまうからです。

自賠責保険の場合、ケガの治療費の補償上限が120万円までに定められています。仮に治療費が120万円まで達すると、それ以降の補償は無くなってしまいます。

つまり自己負担で賄わなければ行けなくなるのです。このような場合、どうしたら良いのでしょうか。

仮渡金制度を利用する

治療が長引いてしまい、医療費がかさんでしまったとしたら、どうしたら良いのでしょうか。自己負担できれば良いのですが、必ずしも常にそうできるとは限らないはずです。そのような場合にお勧めしたいのが仮渡金制度です。

仮渡金制度とは、前もって治療費の一部を支給し、被害者の支払いに当ててもらう制度を指します。仮渡金制度は被害者であれば誰でも利用できるので、積極的に活用することをお勧めします。

仮渡金制度は自賠責保険にも設けられています。この制度を活用すれば、医療費の面で自己負担を減らせるので、生計が楽になるはずです。

搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険を利用する

自己負担額を減らす別の方法として、自分が加入している自動車保険の搭乗者傷害保険や人身傷害保険を利用することができます。搭乗者傷害保険や人身傷害保険を利用するなら、自分で費用を負担する必要がなくなり、保険会社が必要な治療費を補償してくれます。

人身傷害保険や搭乗者傷害保険を利用する場合に、事故点数がついてしまうのでは、と心配するかもしれません。もちろん過失割合が設定された事故においては、加害者に対して対人や対物補償を適用することになるため、等級ダウン事故と判断されます。それが人身傷害保険や搭乗者傷害保険では、適用外だということは知っていましたか?

人身傷害保険を単独で利用する場合、等級ダウン事故にはカウントされません。つまりどのような事故であったとしても、これらの補償を積極的に活用した方が良いのです。しかも人身傷害保険は示談を待たずに必要な保険金を受け取れるので、医療費の心配がなくなります。

健康保険を利用して症状固定まで通院を継続することが大切

保険

どの場合でも言えることですが、交通事故で負傷した場合、ケガが治るまで通院することが大切です。仮に後遺障害になったとしても、後遺障害として認定される症状固定と判断されるまで診察を受け続ける必要があるのです。

賠償請求権は被害者に付与された固有の権利です。もし示談を執拗に迫られて、ケガが完治していないのに治療をやめてしまうとしたら、与えられた権利を放棄するようなものです。示談をしてからでは、再度治療費を請求することはできなくなります。

健康保険を利用してケガの治療を続ける場合、必ず症状固定と判断されるもしくは治療が完了したと伝えられるまで診察を受け続けるようにするのが1番良いのです。もちろん時効を意識する必要があるので、その点は忘れないようにしましょう。

保険会社から「健康保険を使ってください」と促される理由と適切な対応

基本的に損害保険会社が被害者に対して健康保険を利用してケガの治療を進めるようにと勧めることはありません。

その理由として、手続きが煩雑であることと、自由診療により、被害者が後悔しない治療を受け続けるためです。

ありえないとは思いますが、仮に健康保険を使って治療するよう勧められた場合には、素直にそれを受け入れるようにすると良いでしょう。おそらくこのような事例が考えられるのは保険会社が治療を打ち切る場合に限られます。

保険会社が健康保険を利用して治療を受けるよう勧められた場合、保険適用に切り替えることで、すでに支払われた医療費の健保負担分が戻ってきます。

これを活用するなら、治療費の支払いが打ち切られたとしても、返還分を医療費に充てることにより、費用負担を軽減できるでしょう。

まとめ

交通事故で負傷した場合、ケガの治療費は自動車保険から支払われると考えている人は少なくありません。実際に保険に詳しい人たちの中にも、そのように思っている人たちがいます。その理由として、その方が手続きが楽だからなのかもしれません。

健康保険を利用して交通事故のケガの治療を受ける場合、自分で一旦費用を支払わなければならないなどのデメリットがあるものの、仮に加害者が自賠責保険しか加入していない場合には、健康保険を利用した方が、120万円の補償額を有効に活用できます。

もし途中から健康保険による治療に切り替えたいと思った場合、途中から変更することが可能です。ただし、第三者行為(追突事故など加害者の過失割合が10割の場合など)や被害者に重大な過失がある場合は対象外になるので注意が必要です。

健康保険を積極的に活用することで、慰謝料を含めた賠償金の受取額を増額させることもできます。これは過失相殺の場合、特に有効な手段です。健康保険を活用して交通事故の診察を受ける場合、必要な知識を十分に蓄えておくことが大切です。

厚生労働省も健康保険を利用して交通事故のケガの治療を受けることを推進していますから、積極的に健康保険を活用してケガの治療を受けることをお勧めします。そうするなら、きっと満足できる形で、示談交渉も進めることができるでしょう。

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