【参考例あり】自動車保険の料率クラスとは?保険料に大きく関わる!
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自動車保険の任意保険について、保険料のしくみに対する理解を深めるには、料率クラスは決して無視できない存在です。
今回はこの料率クラスとは一体何か、わかりやすく解説します。興味のある方はぜひご一読ください。また、すでに何かご存知の方も、今後しくみが変わる見通しになっているのは把握していますでしょうか。
自分とは無関係とはいえなくなるかもしれない動きがあることについてもしっかりと記載しましたので、気になった方はチェックしてみると良いでしょう。
自動車保険の料率クラスとは任意保険の保険料を左右する要素のひとつ
自動車保険の料率クラスとは、ほぼすべての保険会社が導入している、任意保険の保険料を左右する要素のひとつです。
クラス1~9の全部で9つのクラスがあり、車種別の型式によってどのクラスになるかは違いがあります。料率クラスが設定されているのは、以下の4リスクです。
- 車両保険
- 対人賠償
- 対物賠償
- 人身傷害・搭乗者傷害
保険料はクラスの数字が大きいほど高額になります。各リスクの料率クラスは、事故実績・保険金支払実績に基づいて決定されるしくみです。
事故の発生数の多い型式であればクラスは高く、保険料の負担も大きく、逆に事故の発生数が少ない型式は、保険料の負担が小さくなります。
高級車やスポーツカーは盗難のターゲットにされやすく、直すのに高額な費用が発生しがちなため、車両保険の料率クラスは高い傾向があります。最高の9の型式も珍しくありません。
【追記】2020年から型式別料率クラスの仕組みが変更
2020年から普通車だけでなく、軽自動車にも料率クラスが適用されます(参照:損害保険料率算出機構「2020年1月1日以降の型式別料率クラスの仕組み」)。
なお、普通車のクラス分けは1~17の17段階で、軽自動車の場合、1~3の3段階です。
料率クラスの変更と共に保険料が更新時に変わる
毎年、元日に料率クラスの見直しが実施されます。事故の発生数が著しく増加した型式は料率クラスが高くなり、減少した型式は料率クラスが低くなります。一定以上の変化がなければ、そのままの料率クラスが適用される形です。
自分の加入している任意保険の等級や契約内容が変わっていなくても、料率クラスに動きがあれば保険料の負担は増減します。
料率クラスはすべての車の種別に適用されているわけではないのですが、適用される車に任意保険をかける場合には気をつけなければいけません。
料率クラスの対象となる車とは2種類!軽自動車は対象外(※2020年からは適用)
先述したように、すべての車の種別が料率クラスの対象になっているわけではありません。まずは現状において料率クラスが適用される車の種別について押さえておきましょう。その後、軽自動車について解説します。
- 自家用普通自動車
- 自家用小型乗用車
自家用の軽四輪乗用車などは対象外となっています。年に1回の料率クラスの見直しによって保険料が高くなる可能性を考えると、軽自動車が対象になられては困ると思っている方もいるでしょう。
というのも、2020年の1月までには軽自動車も料率クラスの対象になる予定になっているためです。実現すれば、軽自動車に任意保険をかける方も、料率クラスを意識してみたほうが良いということになります。
(追記)2020年から軽自動車も料率クラスが適用されることになりました。これまでは補償内容や条件が同じであればどの車種の保険料も同じでしたが、これからは事故実績や自動ブレーキ等の安全性能によって保険料が違ってきます。
車両料率クラスが変化すると保険料が高くなる
補償内容によってクラスごとにどのぐらいの保険料の負担が増すのか変わってくるため、一概にいくらとはいえません。ただ、これだけは確実にいえるのは、クラス1と9では驚くほどの金額の差が生じるということです。
例をひとつあげますが、100万円の車両保険をかけているとして、クラス1で年間保険料が5万円としましょう。それがクラス5では10万円程度、クラス9では20万円超と、料率クラスが1と9では何倍も保険料の負担が異なるのです。
自動車保険の任意保険に加入するにあたり、保険料の負担をできるだけ抑えたいと思っている方は、車の購入前から勝負がはじまっているといえます。
すでに料率クラスの高い車の方は、別の要素で保険料を安くする以外にありません。
2020年以降の1~17段階になった場合
損害保険料率算出機構「2020年1月1日以降の型式別料率クラスの仕組みによれば各クラスごとの保険料率の較差は約1.1倍で、保険料の最も安いクラスと最も高いクラスとでは保険料率の較差は約4.3倍になります。クラスごとの保険料の上がり方はこれまでと同じ比率だといえます。
【2019年】料率クラスデータベース(国産型式別一覧)+2020年制度変更後の料率クラスのデータ例
まずは国産で人気車種のプリウス(型式:NHW20)の料率クラスを参考に見てみましょう。なお、この年までの評価は1~9段階でのクラスになります。
補償内容 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償責任保険 | 6 |
対物賠償責任保険 | 5 |
搭乗者傷害保険 | 4 |
車両保険 | 4 |
AEBの装着による保険料の割引 | 対象外 |
次に人気のアルファード(型式:AGH30W)の料率クラスを見てみましょう。
補償内容 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償責任保険 | 3 |
対物賠償責任保険 | 4 |
搭乗者傷害保険 | 5 |
車両保険 | 6 |
AEBの装着による保険料の割引 | 対象外 |
最後にエクストレイル(型式:DNT31)の料率クラスを見てみましょう。
補償内容 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 5 |
搭乗者傷害保険 | 4 |
車両保険 | 5 |
AEBの装着による保険料の割引 | 対象外 |
【2020年版】料率クラスのデータ例
2020年版の制度変更されたプリウス(型式:NHW20)の料率クラスを挙げておきます。
補償内容 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償責任保険 | 11 |
対物賠償責任保険 | 10 |
搭乗者傷害保険 | 7 |
車両保険 | 7 |
AEBの装着による保険料の割引 | 対象外 |
2020年からは1~17段階評価になります。それ以前では対人から順に「6,5,4,4」というクラスでしたので、今のところは前年度の評価をそのまま引き継ぐような数値になっています。
【2019年】料率クラスデータベース(外車型式別一覧)
外車で人気のBMW(型式:2500)の料率クラスを見てみましょう。
補償内容 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 5 |
搭乗者傷害保険 | 5 |
車両保険 | 6 |
AEBの装着による保険料の割引 | 対象外 |
外車で人気のメルセデスベンツ(型式:107023)の料率クラスを見てみましょう。
補償内容 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償責任保険 | 7 |
対物賠償責任保険 | 6 |
搭乗者傷害保険 | 5 |
車両保険 | 7 |
AEBの装着による保険料の割引 | 対象外 |
車両料率クラスの料率改定・見直しは損害保険料率算出機構が行う
毎年1月1日に料率クラスの改定・見直しが実施されていると述べましたが、これは損害保険料率算出機構という団体が行っています。
料率クラスを導入している保険会社が独自に車種別、型式に応じて決定しているわけではありません。したがって、保険会社別に自分の車の料率クラスに違いがあるということはないです。
1回も加入中の任意保険を使わなかったのに、次の年度に保険料が高くなった場合には、料率クラスが高くなったと考えることができるでしょう。
車両料率クラスを自分で調べる方法
料率クラスを決定している損害保険料率算出機構のWebサイト上にある、型式別料率クラス検索のページにて調べる方法があります。
メーカー・車名を指定して検索する方法と、型式を指定して検索する方法があります。なお、現状で料率クラスの対象になっていない車に関しては、検索することができません。
また、対象車であったとしても、発売してすぐの型式については、料率クラスを知ることができないなど、必ずこのWebサイトの利用で答えが見つかるわけではないです。
料率クラスが高すぎる場合は車両保険付帯できない場合も…
4リスクのうち、車両保険のクラスが高い型式に関しては、車両保険を付けるのを断られてしまうケースもあります。とくに通販型の保険会社にはその傾向が見られます。なぜ付帯を拒否するのか、主な理由は以下のとおりです。
- 事故を起こすリスクが高い
- 盗難被害のリスクが高い
リスクが現実化すれば、保険会社側からすれば、車両保険の保険金の請求をされる確率が高くなります。
自社が保険金を支払うのは損失となるため、付帯させたがらないというわけです。ほかにも、以下の条件に該当する車は付帯を拒否する保険会社があります。
- 改造している
- 型式がわからない
- 並行輸入車
- 初年度登録から18年以上が過ぎている
- 車両保険金額が1,000万円オーバーの車
料率クラスが高いと保険料の負担増となるだけでなく、付帯させたい補償を付けられない可能性がある点も覚えておかなければいけません。そしてその点も踏まえて保険会社を選択することが重要です。
まとめ
ひとつの団体が設定した料率クラスを、この制度を導入している全保険会社が採用しています。したがって、保険会社の選び方によって料率クラスを低く、保険料を安くするというのは現実的ではありません。
さらに料率クラスが最高になれば、付帯を拒まれる補償もあります。
必要な補償を付けたい場合にははじめから料率クラスの低い型式の車を選ぶか、拒否されない保険会社を選択しなければいけません。各保険会社のWebサイトで、取り扱いをチェックしましょう。
2020年には軽自動車も対象となる動きになっているため、軽自動車ユーザーは今後の動向に注目しておいたほうが良いです。そうすれば、保険料の変動があったときに、混乱せずに済むはずです。