全ての始まりはここから!自動車保険の歴史から紐解く【徹底解説】
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自動車保険は自動車を所有する人にとってなくてはならないものとなっています。今では当たり前に加入する自動車保険ですが、自動車保険の歴史を見てみると、その成り立ちにはさまざまな紆余屈折があったことが分かります。
自動車保険はいったいどのような過程を経て現在のような補償が成り立ったのでしょうか。自動車保険設立当時の目的や補償内容を見てみると、その本質が見えてきます。
現在では顧客のニーズに合わせて補償を自由に組み立てることができる自動車保険ですが、今ほど自由に補償が選べるようになった時代はありません。自動車保険の歴史を調査するなら、自動車保険がなくてはならないものであることの確信を強めるものとなるでしょう。
自動車保険の歴史を辿るとわかる
自動車保険が日本で初めて登場したのは20世紀初頭のことでした。最初は自動車そのものに対する補償が主でしたので、現在のように交通事故の被害者に対する補償とは大きく異なっていたのです。
その背景には車が非常に高価なものという価値観があったことが関係しています。その後日本は太平洋戦争に突入し、壊滅的なダメージを受けるわけですが、やがて奇跡的な成長を国家として遂げていきます。
いわゆる高度経済成長は自動車保険の成長を後押しする形をとりました。高度経済成長後、車は高価で手が届かない乗り物から身近で生活に欠かせない交通手段になりました。
自動車が巷にあふれ、交通事故が増加したことから被害者に対する補償を重視する自動車保険が登場したのです。
自動車保険が日本で販売されたのは1914年
富国強兵を掲げた日本は海外出兵を行い、国土の拡大に努めるようになります。それとともに文明開化の波が押し寄せ、舶来品が数多く日本にやってくるようになりました。自動車もその一つです。
日本で初めて自動車保険が登場したのは1914年です。当時国内にはわずか1000台ほどしか自動車がなかったことからわかるのは、自動車が非常に高価で庶民には到底手の届かない乗り物だったということです。
発売当時、自動車保険という名称は定着しておらず、船舶を補償するものではないノンマリン保険という形で自動車保険の販売が始まりました。当時は保険料が一律で今とは全く異なるものでした。
1955年に自動車損害賠償保障法が制定
太平洋戦争での敗戦により再出発をすることになった日本は、戦後急激な経済成長を遂げていきます。その一つが高度経済成長です。国内ではさまざまなインフラが整備され、もはや戦争は過去のものとさえ言われるようになりました。
経済の成長に伴って自動車は身近な乗り物になり、道路は自動車であふれかえるようになりました。それとともに増加したのが交通事故による負傷や死亡事故です。そのようなことが背景にあり強制保険の必要性が叫ばれるようになりました。
早くも1955年には自動車損害賠償保障法が制定され、現在の自賠責保険が設立されました。自賠責保険の登場により、交通事故の被害者や遺族が最低限の補償を得られるようになったのです。
自賠責保険をわかりやすく簡単に説明
自賠責保険の正式名称は「自動車損害賠償責任保険」です。自賠責保険は自動車と原動機付自転車が公道で走行する際に必ず加入しなければいけない強制保険のことを指します。
自賠責保険は交通事故の被害者に対する補償に重点を置いています。そのため物損事故や交通事故による加害者の負傷や死亡は補償対象にはなりません。自賠責保険の補償額は政令で定められることになっています。
現在は死亡事故が最大3000万円、後遺障害が最大4000万円、傷害が120万円で、通院や入院、慰謝料などの金額が一律で定められています。自賠責保険は基本的に加害者が被害者に対して補償を行い、加害者が保険金を請求する加害者請求を取っています。
昔は任意保険も保険料は同じ!どこの会社でも差がなかった
かつての損害保険業界は国が保険業界を保護する護送船団方式と呼ばれる方法がとられていました。国が企業を保護するため、外資系保険会社の新規参入を厳しく制限するなど今では考えられないことが行われていました。
護送船団方式により、各損害保険会社が販売する自動車保険の保険料はほぼ一律になっていました。つまりどの自動車保険を契約しても、それほど保険料には差がありませんでした。これが自動車保険はどれも同じという考え方を定着させるきっかけになりました。
護送船団方式から競争の原理を取り入れる方式へ変わり、外資系を含め保険業界に新たな変化が生じました。これが自動車保険の価格競争を促すことになったのです。
任意保険とは?
自動車保険は強制保険である自賠責保険と契約するかどうかを自分で決められる任意保険に分かれています。任意保険の役割は自賠責保険では補償されない部分を補償することです。
任意保険で補償するのは対人補償、対物補償、人身傷害補償、車両保険の4つに分かれています。対人補償は自賠責保険で補償するのが基本ですが、補償額が自賠責保険の上限を超える場合、任意保険で超過分の補償が適用されます。
任意保険に加入することで、被害者だけでなく加害者側も治療費などの補償が受けられるようになります。万一交通事故で車が破損した場合も車両保険が適用されるため経済的な負担を抑えられます。
自動車保険の補償内容の拡充が進んだのは1970年代から
今では当たり前の補償やサービスもかつては考えられなかった時代がありました。モータリゼーションの急速な普及とともに自動車保険も新たな補償やサービスが追加されてきました。1970年代になると現在の自動車保険の原型ともいえる補償が登場します。
その一つが示談交渉サービスです。このサービスが登場したのはオイルショックの翌年1974年です。それまでは示談交渉は自分でしなければならず、手間がかかることに加えて多大なストレスを抱える原因でした。
1976年には無保険車傷害、自損事故補償が登場します。単独での交通事故時の補償や、相手が保険未加入という場合でも補償が受け取れるようになりました。
3世代を経て現在の保険が普及
- 家庭用自動車保険(FAP)
- 自家用自動車総合保険(PAP)
- 自家用自動車総合保険(PAP)
自動車保険はそれぞれの時代に合わせたニーズを満たす商品が登場しています。例えば1974年に販売が始まった「家庭用自動車保険(FAP)」はこれまでの対人、対物補償に加えて新たに示談交渉サービスを付帯するようになりました。これにより相手方との示談交渉をプロの担当者が行ってくれるようになったのです。
1976年にはこれまでの自動車保険に新たなサービスを加えた「自家用自動車総合保険(PAP)」が登場します。この自動車保険では自損事故による損害に加えて、相手方が無保険車だった場合にも補償される無保険車傷害補償が付帯されるようになりました。
1982年になると「自家用自動車総合保険(PAP)」が登場し、今までにはなかった車両保険が付帯されるようになり、物損事故時の示談交渉サービスも付帯されるようになりました。
保険自由化で一気に各保険会社の競争が始まる
かつて日本の自動車保険は国が保険会社を保護する護送船団方式を採用していたため、保険料は各社とも横並びという時代がありました。社名が違えど補償内容はほぼ同じなので保険を乗り換える必要性はありませんでした。
このことを重く見た海外勢は国に働きかけ護送船団方式の廃止に向けた外交合戦を繰り広げます。その代表格ともいえるのが日米保険協議です。アメリカ側は損害保険会社の新規参入自由化を求めて交渉を行ったのです。
これにより日本における損害保険の自由化が決定的になり、さまざまな自動車保険が登場するようになるだけでなく、補償面、価格面での競争の時代に突入しました。これが後の業界再編につながります。
1998年までは損害保険料率算定会の使用義務で価格競争がなかった
護送船団方式の終焉により自動車保険を販売する損害保険会社には戦国時代が訪れます。なぜなら1998年まで保険料率はどの自動車保険も同じで自動車保険料そのものも大差なかったからです。
その後1996年に日米保険協議が最終合意を迎え、外資系の損害保険会社の新規参入が自由にできるようになりました。
最も大きな変化をもたらしたのは,1998年の損害保険料率算出団体(以下,料率算出団体という)制度の改革とそれに伴う保険会社に使用義務のない参考純率制度の導入であろう。
それとともにこれまで一律だった保険料率の適用が廃止され、自由競争が導入されることになったのです。自動車保険はどれも同じだという考え方が残っているのはかつての名残といえるでしょう。
保険の自由化が断行されると新規参入の自動車保険が続々登場し、これまで考えられなかった割安な保険料の自動車保険が注目を集めるようになります。今までは代理店を経由してのみ契約していた自動車保険が今度は通販でも契約できるようになりました。
1994年から始まる日米保険協議により95年に新保険業法が成立
先ほどの話と前後しますが、護送船団方式を取り入れていた日本の金融界に海外から批判が相次ぐようになります。金融界の商品が自由化されないため、世界的に見ても保険料が非常に高い自動車保険が何の疑問も持たれないまま販売されていたからです。
この状態にメスを入れたのがアメリカでした。1994年、アメリカは日米保険協議の開催を提案し、日本政府との交渉に臨みます。日米保険協議の提案もあり、1995年には新保険業法が成立し、外資系をはじめとする保険会社の新規参入が可能になりました。
この流れとともに注目されたのが、保険料の自由化です。
1996年の日米保険協議の合意を受け,損害保険業界では1998年に火災,自動車,傷害の各保険について算定会料率の使用義務が廃止され,料率が自由化された。
自動車保険そのものは金融庁を含めた国の監督下にあり、保険会社が好き勝手に保険料を決めることはできません。しかしながら国の認可が下りれば、それ以降は価格設定を変えることができるようになりました。
自動車保険の種類は大きく分けると5種類
自動車保険は大別すると5つの保険商品に分けることができます。まず大きく分けることができるのが自賠責保険と任意保険の2種類です。
- 自賠責保険
- 任意保険
自賠責保険は強制保険ですから、任意保険とは別個に考えますが、大きく分けた場合、自動車保険の中に含まれます。
任意保険は複数の保険商品をセットにしたものを指します。自動車保険が自動車総合保険と呼ばれているのはそのためです。任意保険は4つの保険で成り立っています。
- 対人保険
- 対物保険
- 人身傷害保険
- 車両保険
先ほどの自賠責保険を含めると、任意保険の4種類を加えて合計5種類になります。
強制保険1種類
自動車保険は強制保険と任意保険の2階建て補償が基本です。強制保険に該当するのが自賠責保険です。自賠責保険は自動車を所有する人は加入が必須のため、強制保険と呼ばれています。加入しない場合免許停止や罰金などの罰則があります。
自賠責保険は基本的に対人補償のみで、補償額もあらかじめ法律によって定められています。保険料は政令によって定められることになっているため、監督官庁が保険料の是正を実施することで保険料が改訂されることがあります。
自賠責保険とは?
自賠責保険とは加入が義務付けられている強制保険のことで、自賠責保険に加入していない場合、罰金などの罰則が科せられます。
自賠責保険(共済)を契約しないで自動車を運行した場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の刑事罰、および免許停止等の行政罰が科されます。
自賠責保険は対人補償のみに絞られていて、交通事故被害者の救済を目的として設立されました。
自賠責保険は傷害による損害、また後遺障害による損害、そして死亡による損害の三つの補償が設けられています。
傷害による損害は最高で120万円まで補償されます。交通事故でケガをして通院や入院した場合の費用に加え通院の交通費や慰謝料なども補償されます。
以下、3つの補償ごとに表にまとめました。
傷害による損害補償
項目 | 内容 |
---|---|
通院治療費 | 実費分 |
看護料 | 入院一日当たり4100円(自宅看護は半額) |
雑費 | 一日当たり1100円 |
休業補償 | 一日当たり5700円(収入証明により最大19000円) |
慰謝料 | 一日当たり4200円 |
後遺障害になった場合、傷害等級に応じて最大3000万円まで補償されます。常時介護が必要な後遺障害を負った場合は最大4000万円まで補償が引き上げられます。
逸失利益による損害補償
項目 | 内容 |
---|---|
逸失利益 | 喪失期間から算定 |
慰謝料 | 32万円~1600万円 |
死亡による損害補償
項目 | 内容 |
---|---|
葬儀費用 | 最大60万円もしくは妥当とされる場合100万円まで補償 |
逸失利益 | 就労可能期間に基づき算定 |
慰謝料 | 被害者本人350万円、遺族一人の場合550万円、2名の場合は650万円、3名以上一律750万円。被扶養者一人当たり200万円を加算。 |
任意保険4種類
任意保険は自賠責保険では補償されない対人補償の超過分や対物補償、人身傷害や車両保険を含む総合保険のことを指します。任意保険は4つの保険から成り立っています。
項目 | 内容 |
---|---|
対人補償 | 自賠責保険の補償額を超える分を補償。無制限補償を選択可能 |
対物補償 | 交通事故による損害を与えてしまった場合の補償。無制限補償が選択可 人身傷害補償:運転者、同乗者がケガなどを負った場合の補償 |
車両保険 | 交通事故で車が破損した場合の修理費用を補償 |
また、任意保険には以下4つあります。
ニーズに合わせて選択ができるようになっています。
1.自家用自動車総合保険(SAP)とは?
自家用自動車総合保険(SAP)とは自動車保険の総称で、複数の保険商品をセットにした総合保険のことを指します。
任意保険を契約する場合、契約者が補償を自由に組み立てることができますが、保険に関する知識が少ないと肝心な補償を見逃す可能性があります。そのようなリスクを減らすために考案されたのが自家用自動車総合保険(SAP)です。
自家用自動車総合保険(SAP)は4つの基本補償である対人補償、対物補償、人身傷害補償(搭乗者傷害補償)、車両保険がセットになっています。これらの補償に加えて無保険車傷害補償、自損事故補償も自動的に付帯されています。
自家用自動車総合保険(SAP)にセットされている対人補償は最大無制限補償を選択できます。逸失利益が増大していることと、賠償額が年々高額化していることを踏まえ、対人無制限補償を選択するのが一般的です。
対物補償も対人補償同様、無制限補償が選択できるようになっています。人身傷害補償とは相手の示談を待たずに自身の契約する自動車保険で治療費や慰謝料などを受け取れる補償のことで、経済的な補償がいち早く得られるようになっています。車両保険は車が破損した場合の修理費などを補償してくれます。
2.自家用自動車保険(PAP)とは?
自家用自動車保険(PAP)とは自家用自動車総合保険(SAP)から車両保険を取り外し、その他の補償は自家用自動車総合保険(SAP)と同等のものがセットになっている自動車保険のことを指します。
PAPは貨物用自動車やオートバイでも加入できる自動車保険です。自家用自動車保険(PAP)で補償されるのは以下の通りです。
・対人補償
・対物補償
・人身傷害補償(搭乗者傷害補償)
・無保険車傷害補償
・自損事故補償
対人補償および対物補償はそれぞれ無制限まで補償を選択できるようになっています。人身傷害補償は搭乗者傷害補償の代わりとして契約する人が多いですが、それぞれ別々に契約することが可能です。人身傷害補償と搭乗者傷害補償をセットにすることで、運転者や同乗者の補償をさらに手厚いものとすることができます。
無保険車傷害補償と自損事故補償は自動的に付帯されているため、万一加害者側が自動車保険に加入していない場合でも、必要な補償が得られるようになっています。車両保険を付帯することもできますが、その場合はSAPという名称に切り替えられます。
3.一般自動車保険(BAP)とは?
一般自動車保険(BAP)とは自家用自動車保険(PAP)や自家用自動車総合保険(SAP)とは異なり、自動車保険の補償をそれぞれ別々に組み立てて契約するタイプの補償を指します。
具体的には自家用自動車総合保険(SAP)には自動的に対人補償や対物補償、人身傷害補償や車両保険がセットされているのに対し、一般自動車保険(BAP)はどの補償を設定するかを自分で選べるようになっています。
自動車保険の原始的なスタイルをとっているのが一般自動車保険(BAP)で、現在このタイプの自動車保険を選択する人は少数になっています。しかしながら任意保険という特性上、契約者が自由に補償を選ぶことができるようになっているのです。
一般自動車保険(BAP)は対人補償、対物補償、人身傷害補償(搭乗者傷害補償)、無保険車傷害補償、自損事故補償がそれぞれ別々に契約できるようになっています。極端な話ですが、対人補償だけに絞って契約するということも可能です。
一般自動車保険(BAP)のデメリットは、総合保険ではないため、サービス面で劣ります。例えば示談交渉サービスが付帯されていないなどのデメリットがあり、いざというときには自分で処理をしなければいけません。
4.自動車運転者損害賠償責任保険(ドライバー保険)とは?
これまで取り上げた自動車保険の種類とは別に自動車運転者損害賠償責任保険(ドライバー保険)というものがあります。ドライバー保険とは他の自動車保険とは性質が異なるため、よく理解して契約することをおすすめします。
ドライバー保険の目的は車を所有していない人が、臨時で他の人の車を運転する場合に補償する自動車保険のことを指します。
]例えば普段ほとんど車を運転することがないものの、夏休みなどに友人の車を借りて旅行に出かける場合、自動車保険をかけていなければ不安になります。臨時で運転する場合、万一に備えてドライバー保険を掛けることができるのです。
ドライバー保険は自動車総合保険に加入している人が加入する必要はまずありません。その理由として自動車保険には他車運転者特約が付帯されていて、臨時で他の人の車の運転をし万一交通事故を起こした場合は自分の保険で補償できるようになっているからです。
ドライバー保険で補償されるのは対人補償、対物補償、搭乗者傷害補償の3つで、車両保険は補償対象外になっています。契約する場合には約款を確認し、十分な補償が設定できるかを確かめるようにしてください。
迷ったら自家用自動車総合保険(SAP)か自家用自動車保険(PAP)
自動車保険にはいろいろな種類があることが分かりましたが、いくつもの種類があるとどれを契約したらよいかわからなくなってしまうかもしれません。
そのような場合は「自家用自動車総合保険(SAP)」か「自家用自動車保険(PAP)」を契約することをおすすめします。
基本的に損害保険会社各社は自動車保険を紹介する場合、この2点のパンフレットを用意している場合がほとんどです。
必要な補償がすべてセットされているのと、示談交渉サービスなど万一の際の対応もしっかり付帯されているため、保険に詳しくない人でも万一の際の補償を確実に備えることができます。
自家用自動車総合保険(SAP)と自家用自動車保険(PAP)の違い
「自家用自動車総合保険(SAP)」と「自家用自動車保険(PAP)」の違いとは何なのでしょうか。両者の違いはネーミングです。
「総合」という言葉に気づかれたことでしょう。前者の「自家用自動車総合保険(SAP)」は自動車事故をトータルでサポートする保険のことを指しています。
「自家用自動車総合保険(SAP)」の補償は対人補償、対物補償、搭乗者傷害(人身傷害)補償、車両保険、無保険車傷害補償、自損事故補償の6点セットになっています。
交通事故を起こしてしまったというだけでなく、被害者になってしまった場合に加えて、自損事故で車を破損させてしまった場合の補償も設定されています。
「自家用自動車保険(PAP)」は「自家用自動車総合保険(SAP)」から車両保険を取り外したものを指します。車両保険以外はSAPと同じ補償が設定できます。車両保険がついているかどうかが、それぞれの違いを決めるポイントなのです。
不必要なものがセットになり価格が高い場合も…見直しは必ずやろう!
日本で自動車保険が登場してから早くも100年以上が経過しました。それとともに自動車保険の補償内容は日々進化しています。保険料の改訂に加えて、新規参入の自由化など、保険業界を取り巻く環境は刻々と変化を遂げています。
現在ではリスク細分型自動車保険が主流になり、ニーズに合わせた最適な補償が設定できるようになりました。それにより割安な保険料で手厚い補償を得られるようになったのです。
その反面、不必要な補償があることに気づく人もいます。そのような場合は自動車保険の見直しを行って、最適な補償を組み立てるようにしましょう。
まとめ
自動車保険が初めて日本で販売されたのは1914年のことです。それから100年以上の歳月が経過し、自動車保険はなくてはならない保険商品の一つになりました。自賠責保険という強制保険がありますが、それだけで必要な補償を設定することは不可能ですから、任意保険には必ず加入する必要があることが分かります。
護送船団方式の廃止により、損害保険会社間の競争が激化し、消費者にとっては保険料の引き下げという歓迎すべき状況が到来しました。通販型の登場により、より保険料が安い自動車保険を選べるようになったのも事実です。
自動車保険が自由に選べるようになった反面、補償内容がよくわからないという人が増えています。自動車保険にはさまざまな補償が設定されているため、本当に必要な補償を備えるというのは、ある程度の保険の知識がないと難しいからです。
それでも自動車保険の種類をしっかり把握しておくなら、どのような補償を選択すればよいかがすぐにわかります。
「自家用自動車総合保険(SAP)」と「自家用自動車保険(PAP)」のどちらか一つを選択するなら、いざというときの経済的な負担を大幅に減らすことができます。必要に応じて見直しをすることで、よりニーズに合った自動車保険を契約できるのです。