軽自動車から普通車へ乗り換える“自動車保険の見直し“ポイント
※当ページには一部広告が含まれています。
軽自動車から普通車への乗り換えるとき、コスト面が気になるという方も多いでしょう。普通車は軽自動車に比べて車両本体価格から、税金、ガソリン代、維持費にいたるまで全体的に支出の水準が高くなります。自動車保険もそのひとつです。
こういったコストのなかで無理なく節約できるものが自動車保険ですが、具体的に普通車へ乗り換えることでどれくらい保険料が高くなるのか?そもそも保険の仕組みはどう違うのか?など知っておきたいこともたくさんあります。
そこで今回は軽自動車から普通車へ乗り換える場合の自動車保険について解説したいと思います。
軽自動車と普通車の自動車保険(任意保険) の保険料の違い
まずは軽自動車と普通車の自動車保険(任意保険)の保険料がどれくらい違うのか比べてみましょう。
これはあくまでも概算ですが、以下のような条件を設定して、日産の軽自動車『モコ』と普通車『ノート』の保険料を試算してみました。
(条件設定)
30代
15等級
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
車両保険:有
運転者限定:本人限定
年齢制限:あり
年間走行距離:5000キロ
免許の色:ブルー
- 日産『モコ』の自動車保険料:49,000円
- 日産『ノート』の自動車保険料:64,000円
この場合、軽と普通車では15,000円の差があります。
ちなみに「チューリッヒ保険会社」では以下のような保険料の例が比較されていました。
チューリッヒはいわゆるダイレクト型保険と呼ばれるもので、軽自動車、普通車にかかわらず自動車保険料がかなり安いです。そのため両方の差は小さいですが、それでも約6,550円と違いがあります。
特に、次に説明するように自動車保険料は車両の種類によっても大きく違ってきます。
型式別料率クラスとは?普通車と軽自動車の違い
型式別料率クラスとは「車の型式ごとの事故実績によって保険料が変わる」仕組みのことです。
簡単にいえば、あるタイプの車がたくさん事故を起こせばその車の保険料が割高になり、反対に事故が少なければ保険料は割安になるというものです。
例えばある年、日本中のノートがたくさん事故を起こしたとします。すると翌年からノートに乗るドライバーの保険料は高くなります。自分が仮に無事故であったとしても高くなります。
この型式別料率クラス(車両料率クラス)の評価項目は
- 「対人賠償」
- 「対物賠償」
- 「傷害(人身傷害・搭乗者傷害)」
- 「車両保険」
で、それぞれ1~17の17段階でわりふられます(参照:損害保険料率算出機構「2020年1月1日以降の型式別料率クラスの仕組み」)。
この数値が高くなればなるほど、保険料も割高になります。
普通車の型式別料率クラス
損害保険料率算出機構で検索したところ、日産ノートの料率クラスは次のようなものになりました。
ノートの型式 | 対人賠償責任保険 | 対物賠償責任保険 | 搭乗者傷害保険 | 車両保険 |
---|---|---|---|---|
E11 | 9 | 7 | 8 | 4 |
E12 | 7 | 7 | 6 | 5 |
HE12 | 8 | 9 | 7 | 11 |
NE11 | 5 | 7 | 1 | 5 |
NE12 | 7 | 6 | 3 | 6 |
SNE12 | 7 | 8 | 7 | 11 |
ZE11 | 8 | 6 | 7 | 5 |
このように同じノートでも型式ごとにクラス分けされます。この型式別料率クラスは1年に1回見直されるので、今年事故が多ければ翌年からこの値も高くなってしまいます。
1~17の17段階なので、ノートの型式別料率クラスはそれほど高くなく、そのため保険料も比較的割安な傾向です。
軽自動車の型式別料率クラス
これまで軽自動車は型式別料率クラスという仕組み自体ありませんでした。しかし2020年から軽自動車にも導入されることになりました。
軽自動車も評価項目は「対人賠償」「対物賠償」「傷害(人身傷害・搭乗者傷害)」「車両保険」ですが、クラスは1~3の3段階でわりふられます(参照:損害保険料率算出機構「2020年1月1日以降の型式別料率クラスの仕組み」)。
損害保険料率算出機構で検索したところ、モコの型式別料率クラスは次のようになっています。なお、保険始期2020年1月1日~12月31日の料率クラスです。
モコの型式 | 対人賠償責任保険 | 対物賠償責任保険 | 搭乗者傷害保険 | 車両保険 |
---|---|---|---|---|
MG21S | 3 | 3 | 3 | 1 |
MG22S | 1 | 2 | 3 | 1 |
MG33S | 1 | 2 | 1 | 3 |
これまでと違って、事故の多い軽自動車は以前と比べて保険料が割高になることもあります。
乗り換える普通車によっても保険料に違いがある
このように単純に軽自動車と普通車での保険料の違いだけでなく、自動車間によってもかなり保険料が変わってきます。
そのため軽自動車から普通車に乗り換えるとき、型式別料率クラスが高い車を選ぶと、予想以上に自動車保険料が高くなってしまうこともあります。
軽自動車の「等級」は普通車に乗り換えるとき引き継げる?
そもそも「等級」とは契約者の事故実績によって保険料が変わる仕組みのことです。
先に説明した「型式別料率クラス」は車の型式による事故リスクによって保険料が割高や割安になる仕組みでしたが、この「等級」は契約するドライバーという単位でクラス分けされ、保険料の割引率に影響を与えます。
等級のクラス分けは「1~20等級」です。自動車保険に契約するのが初めての人は6等級からスタート。もし1年間事故をして保険を使わなければ翌年から1等級上がります。
反対に、事故を起こして保険を使った場合、その状況によって3等級ダウンもしくは1等級ダウンします。ここから分かるように「等級」に関しては数字が高くなればなるほど保険料は割安になります。
「型式別料率クラス」の場合、クラスが高くなれば割高になるので混同しないように注意が必要です。
等級は契約するドライバー自体に関わるものなので、軽自動車から普通車に乗り換える場合でも等級はそのまま引き継がれます。
車の買い替えで保険会社の変更はすべき?
軽自動車から普通車に乗り換えたとき、「保険料が高い」と感じやすいですが、ずっと普通車に乗り続けている人のなかにもその悩みを持っている人はたくさんいます。
お乗りの車のタイプに関わらず、保険の見直しというのはとても大切です。自動車保険で知らず知らずのうちに無駄な支払いをしているケースは珍しくありません。
自動車保険の見直しポイント
まず現在加入している保険会社が「代理店型」の人はダイレクト型に切り替えることを考えるといいでしょう。
代理店型というのは保険代理店に加入を依頼するもので、店舗があり、直接顔を合わせてやり取りするようなタイプのことです。一方、ダイレクト型とはネット申し込みで、保険会社に直接申し込んで加入するタイプのことをいいます。
代理店型 | ダイレクト型 | |
---|---|---|
メリット | 保険のプロに対面で相談できる | 代理店型よりも保険料が安い |
デメリット | ・料金が高い ・代理店によって当たりはずれが大きい |
・加入の条件が代理店型より少し厳しい ・事故時のサポートが代理店型より遠い |
代理店型とダイレクト型、それぞれメリット・デメリットがありますが、近年の主流はダイレクト型になりつつあります。
ダイレクト型は代理店型と比べて圧倒的に保険料が安いです。そのうえデメリットとされる「事故の際、代理店型のように身近にサポートしてもらえない」という点も24時間の電話サービスなどによって解消されています。
また、「加入の条件が厳しい」という点についても、そのように感じる方が稀だといえます。保険料の節約と補償の充実のどちらも持ち合わせているのが「ダイレクト型保険」です。
複数の保険会社の保険料を比較するのが重要
現在どのような保険に加入されているにしても、必ず他社との比較を行い、保険の見直しをするようにした方がいいです。
まったく同じ補償プランなのに、A社は10万円、B社は5万円などというケースもざらにあるのが自動車保険です。そのため、ネットで無料できる「一括見積もりサービス」でご自身の状況に応じた見積もりを比較してみることをおすすめします。
入力は簡単なうえ、営業電話などもいっさいなく、複数の大手自動車保険会社の見積もり結果をまとめて比較できるサービスなので、とても便利です。
まとめ
今回は軽自動車から普通車へ乗り換える場合の自動車保険について解説しました。軽自動車と普通車の自動車保険(任意保険)の保険料は大幅な差があります。それに加えて型式別料率クラスによって車の型式ごとでも保険料の割引率が異なります。
このクラスが高ければ保険料はより高くなります。「等級」については、契約者の事故実績によって保険料が変わる仕組みのことなので、軽自動車の「等級」は普通車に乗り換えるときでも引き継げます。
車の買い替えの際は保険会社の見直し、変更は積極的にすべきだといえます。自動車保険で知らず知らずのうちに無駄な支払いをしているケースは珍しくありません。
「代理店型」の人はダイレクト型に切り替えることを考えるといいでしょう。また、必ず他社との比較を行い、どの保険会社が最も安いかを調べてみましょう。