自動車保険『イモビライザー割引』とは?現在取り扱いはたった2社だけ!
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自動車保険には様々な割引制度があります。その中の1つがイモビライザー割引というものです。自動車保険では保険料の負担については、なるべく平等であるようにと考えています。
また被害のリスクが低下する装備があるのなら、割引するようにしています。その1つがイモビライザー割引です。
ただ最近ではこのイモビライザー割引を取り扱う保険会社が減ってきています。なぜ割引となる制度をやめているのか、この理由に焦点を絞って紹介してみましょう。
自動車保険『イモビライザー割引』とは?
ではそもそもイモビライザー割引とは、どういう割引制度なのかから考えてみます。そのために知っておきたいのが、イモビライザーとはなにかでしょう。シンプルにお伝えすると、車の盗難を防止するための装置です。
仕組みは以下のようになります。
- 車のキーにIDを埋め込んである
- このIDと車両に登録されているIDと一致すればエンジンが動く
- IDが一致しないとエンジンが動かない
- キーの複製はできても、IDの複製は困難
このイモビライザーが導入され始めたのは2000年初頭のことです。開発された当初は完璧な盗難対策と言われました。盗難リスクが下がるのであれば、保険会社としても保険金支払のリスクが搭載車と非搭載車で異なります。
そこでイモビライザーを搭載した車両が対象となる、車両保険では割引制度を導入したのです。これがイモビライザー割引になります。
イモビライザー割引の割引率
イモビライザー割引を実際に活用した場合に、どの程度の割引率となるのかも確認します。イモビライザー割引が適用対象となるのは、車両保険です。車両保険には車の盗難に対する保証がついているためです。
割引率ですが一般的には3~5%程度です。あまり大きな数字ではないと感じるかもしれません。ですが車両保険はフルでつけた場合、かなり保険料が大きくなります。
特に高級車ではその傾向が強いので、この割引率でも保険料のカットに役立つでしょう。
イモビライザー割引がある会社は『2社のみ』
2020年の3月時点でイモビライザー割引を導入している、保険会社は2社のみとなっています。かつては多くの保険会社で導入されていた割引制度ですが、近年ではどんどんその数を減らしているのが、実情だと言えるでしょう。
以上の2つがイモビライザー割引を維持しています。ただいつ無くなっておかしくない割引制度でもあるのです。なぜなら普及当初と現在では大きく事情が異なっているからです。
イモビライザー割引はどんどん廃止されている
上でも軽く触れましたが、イモビライザー割引はどんどんと廃止される流れになっています。なぜ廃止されるのかというと、主な理由は2つです。
- 開発当初は高級車のみだったが、現在ではほぼ標準装備である
- イモビライザー普及により盗難リスクが下がった
開発された当初は高級車のみについている装備品でした。ですが時が経つにつれて、イモビライザーは90%以上の車で装備可能となりました。
そのためイモビライザーを特別視して、割引制度を導入する意味がなくなってしまったのです。もともとイモビライザーは特別な装備であり、それをつけることで盗難率が低くなるメリットがありました。
そのため割引としていたのが、一般的な車にも普及したことで盗難率そのものが下がってる状態でもあります。
さらに数年先にはどの保険会社も取り扱っていない可能性が高いでしょう。
日本損害保険協会によるデータから分析
車両盗難の防止のための対策は必須
イモビライザーは優秀な装置です。ここまでお伝えしたようにこの装置が開発されたことで、盗難率そのものが下がりました。ですが盗難そのものがなくなったわけではありません。またイモビライザーも万能ではないのです。
- イモビカッターという装置がある
- レッカー車で車ごと盗まれる可能性がある
以上のようなケースもあるためです。イモビカッターとは車両側のIDをリセットする装置になります。
国産車の一部には運転席付近に、整備のためのコネクタがあるのです。ここにイモビカッターを挿すことでリセットします。
まとめ
自動車保険の割引制度の1つである、イモビライザー割引についてのまとめでした。イモビライザーという盗難を防止するための装置があり、これを装備している車は車両保険の3~5%程度の割引になるというものです。
ただイモビライザーが開発されてから年数が経ち、一般的な車にも普及したことや、盗難そのものの件数が減ったことなどから、現在では取り扱う保険会社が減っています。今後はさらに減っていく可能性が高いとも言えるでしょう。