「車の盗難は自動車保険(車両保険)で補償可能」見つかった際の対処法まで
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テレビのニュースなどで、新手の車両盗難手口としてリレーアタックなどが話題になっています。実際に車の盗難に遭った人もいるのではないでしょうか。そんな時でも車両保険に加入していれば、補償される可能性が高いです。
それでも対象外となってしまうケースもあるので注意が必要です。ここでは、車の盗難で補償になるケースとそうでないケース、また車が見つかった時の対処法なども解説しています。もしものために知っておきましょう。
もし自動車が盗難にあったら『車両保険』で補償される
最近はテレビのニュースなどでもいろいろな手口で車を盗む事件が多発し、2018年には年間で8,628件もの車の盗難があったと報告されています。特に高級車や人気車種は狙われやすい傾向にあり、まさに損害は数百万円にも上ることでしょう。
盗難に遭ったからといって、ローンは返さなくてもいいというわけではなく、車はないのにローンだけ支払うということにもなりかねません。ですが、自動車が盗難に遭ってしまった時、車両保険に加入していればすべて補償されるのです。
ただ、すべての車両保険で補償されるわけではなく、車対車だけに限定した車両保険だと補償されないので注意しましょう。
盗難は決して対岸の火事ではありませんから、保険に加入する時には盗難も頭に入れておく必要があるでしょう。
保険金の額と全損扱いについて
自損事故を起こしたという時は、修理にかかった金額を保険金として受け取ることができます。ですが、盗難は修理費用がいくらかかるといったものではありませんから、どれくらい保険金が支払われるのか不安になる人もいるでしょう。
自動車が盗難に遭って、しかも盗難車両が見つからない時には、全損と同じ扱いになります。そのため、盗難に遭った時に受け取れる保険料は、契約の際に設定した車両保険金額の限度額を受け取れるのです。
それだけでなく、全損時諸費用として車両保険金額の10%ほどをプラスして支払われることも多いです。とはいえ、車両新価特約に加入していなければ、新車を購入できるほどの保険金は受け取れず、あくまでその時の車の価値分しか受け取れません。
保険金がおりるまで1ヶ月以上かかる
仕事などの通勤で毎日車に乗っている人は、車が盗難に遭ったら1日でも早く保険金を受け取って新しく車を購入したいと思うものです。ですが、実際は盗難に遭ったからといってすぐに保険金がおりるわけではなく、最短でも1ヶ月はかかると思ったほうがいいでしょう。
それは、車両保険をすぐに支払ってしまうと、所有権が保険会社に移ってしまい、見つかった場合には保険会社が引き取ることになるからです。まずは警察に盗難被害届を出して、捜索をしてそれでも見つからなかったら支払うという形になるのです。
また、車両盗難が多いのも事実ですが、それを利用した詐欺も多く発生しています。そのため、詐欺の恐れがないかも捜査するため、やはり最低でも1ヶ月はかかってしまうというわけです。
「無過失で偶然の盗難」でないと車両保険が適用されない
車が盗難に遭っても車両保険が適用になるから安心、とは思ってはいけません。間違いなく盗難に遭ったとしても、それはあくまで無過失で偶然の盗難の場合です。
わかりやすく言うと、しっかりと防犯対策を取っていたのに盗難に遭った場合しか適用されないというわけです。例えば、以下のようなケースで盗難に遭ったのなら、車両保険が適用にならない可能性もあるので注意しましょう。
- カギをかけていない
- キーをつけたまま
- エンジンをかけたまま
コンビニでちょっと買い物をするために、カギをかけずエンジンかけっぱなしで車を離れていて、それで盗難に遭った場合などは無過失とは言えずに適用されない可能性もあるのです。ですので、どんな時でもしっかりと防犯対策をしましょう。
車両保険の保険金受け取り後に車が見つかった場合の対処法
車が盗難に遭った場合、全損扱いで車両保険から保険金を受け取れるようになります。ですが、警察の捜索などで車が見つかるというケースもあります。この場合、保険金を受け取る前と後で対処法が違ってくるので覚えておきましょう。
保険金がおりる前に自動車が見つかった場合
保険金がおりる前に自動車が見つかった場合、なんとなく車を受け取って終わりと思いがちです。ですが、見つかった車がまったくの無傷ということはあり得ません。たいていは、カギ穴を壊されていたり、部品を取られたりしているものです。
車の状態によっては、そのまま乗り続けようか迷ってしまうでしょう。保険金がおりる前に車が見つかった場合は、以下の2つの対処法から選ぶことができます。
- 全損として保険金を受け取る
- 車を修理して乗る
保険金を受け取る場合には、契約時の設定した金額と全損時の諸費用として+10%ほど受け取れます。また、修理して乗る場合には、その修理費用や車の運搬費用などかかった費用も保険金として受け取ることができるので、安心です。
保険金がおりた後に自動車が見つかった場合
車が盗難に遭った時の保険金は、1ヶ月以上経過するとおりることが多いです。保険金がおりれば、たいていの人は盗難に遭った車のことは諦めて、その保険金で新しく車を購入する事でしょう。
ただ、実際に保険金がおりてから車が見つかるケースもあります。その場合は、以下のような扱いになってしまいます。
- 見つかった自動車の所有権は保険会社になる
- 保険金を受け取ってから約60日以内なら保険金を返金して車を取り戻せる
- 保険金を受け取ってから約60日を超えると車は取り戻せない
いくら自分の車だからといって、保険金を受け取って60日以上経過していると取り戻すことはできなくなるのです。
みんな知りたい!自動車の盗難による車両保険のQ&A
自動車の盗難に遭っても車両保険で補償されるといっても、いろいろなケースが想定されます。車本体ではなく装備品や付属品が盗まれるケースもありますので、実際にどこまで補償されるものなのかQ&A方式で説明しますので参考にしてみてください。
【Q1】カーナビなどの付属品は盗難の補償内か?
人によっては高価なカーナビやオーディオ、ドライブレコーダーなどの付属品をつけている人もいるでしょう。そういった高価な付属品を狙うケースも少なくありません。これらの付属品については、車両保険で補償されます。
ただし、補償されるためには以下のような条件があります。
- ボルトやネジで固定されている
- スペアタイヤなど車に標準装備されているもの
- ダッシュボードに組み込まれているインダッシュタイプのカーナビ
- 車内で使用しているポータブルタイプのカーナビ
このように、あくまで車の一部分として認識されるような付属品に関しては車両保険で補償されるので安心しましょう。
ただ人によっては、ポータブルタイプのカーナビを車内以外でも利用する人もいます。そんな時は補償されないこともあるので注意しましょう。
【Q2】車上荒らしで盗まれた身の回り品(衣服やカメラなど)は補償される?
車にはパソコンやカメラ、衣服などいろいろと自分のものを入れておく人も多いでしょう。そういった高級品を狙う車上荒らしも少なくありません。これらの持ち物は、車の中にあるものだとしてもカーナビやETCなどの付属品とは扱いが異なります。
付属品は車の一部としてみなされるため、車両保険で補償されるのですが、自分の持ち物に関しては車両保険の補償対象外となってしまう保険会社が多いです。
もちろん、車両保険で補償してくれる保険会社もあるので確認が必要です。もし、そういった身の回り品が盗難に遭い、車両保険では補償されない場合でも身の回り品特約に加入していれば安心です。
ですので、盗難に遭ったことを想定して、自分の保険はどこまで補償されるのか確認しておきましょう。
【Q3】翌年度の等級への影響はある?
自損事故などで車が破損して車両保険を使って修理した場合、翌年度は3等級ダウンしてしまいます。補償の内容や保険料によっても異なりますが、3等級下がってしまうとトータルの保険料は10万円ほど多くなってしまうのです。
盗難により車両保険を使ったら同じように3等級ダウンしてしまうなら、保険を使わないほうがいいと思う人もいるでしょう。ですが、盗難で車両保険を使った場合、1等級ダウン事故として扱われます。そのため、3等級ダウンほど保険料は高くならないのです。
ですので、車本体を盗まれた場合はもちろんですが、カーナビなどの付属品が盗まれた、タイヤやホイールなどを盗まれた場合でも車両保険を使って保険金を受け取ったほうがいいでしょう。
【Q4】タイヤ・ホイールの盗難は補償される?
車上荒らしでは、カーナビやドライブレコーダーなどの付属品やパソコンやカメラなどの車内にあるものを盗んでいくものです。ですが、中にはタイヤやホイールなど車外にあるものを盗んでいくケースもあります。
むしろ、カギがかかった車内に侵入して盗むよりも、車外のものを盗む方がリスクが低いためこういった盗難も多くなっています。タイヤやホイールなどの車外の部品の盗難に関しては、車の一部という認識になるため、車両保険で補償されます。
そのため、タイヤやホイールだけでなく、バンパーやエアロパーツ、キャリアなども対象となります。ただしキャリアに固定していたもの、たとえばスキー板や自転車などは補償の対象外となってしまうので注意しましょう。
まとめ
最近急増している車の盗難に対しては、しっかりと車両保険に加入していれば補償されるので安心です。また車上荒らしに関しても、付属品などは対象になります。
ただ、車の盗難、付属品の盗難もあくまで自分に過失がない場合のみ補償されます。ですので、しっかりと盗難を防ぐ対策はしておく必要があります。
また、車両保険に加入していなければ当然補償されませんし、車両保険の補償内容によっても盗難は対象外となってしまうこともあるので、しっかりと自分の保険を見直してみましょう。