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自賠責保険の傷害慰謝料の計算方法!賠償額&限度額も確認しておこう

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自動車による交通事故が発生すると、被害者が外傷やむちうちなどの傷害を負ってしまう、というケースが少なくありません。深刻な怪我になると入院したり、長期の通院を余儀なくされたりすることもあります。

被害者の傷害に対する損害賠償金を支払う義務は加害者にあります。大抵の人は、損害賠償金を支払う際に、契約している自賠責保険を適用します。

ただし、自賠責保険の適用範囲はある程度限定されており、事故によって発生したすべての損害を網羅しているわけではありません。また、支払いの上限が決まっている項目もあります。では、損害賠償金に関する詳細を見ていきましょう。

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自賠責保険は支払基準は?

夫婦で名義変更

任意保険では、契約時にオプションを追加することでさまざまな損害をカバーすることが可能となります。一方、自賠責保険の補償に関しては、自賠責法で定められている範囲および項目のみとなります。

自賠責保険の慰謝料に関しては、「自動車損害賠償責任保険」および「自動車損害賠償責任共済」で規約として示されており、そこで明示されている支払基準を元に支払いが行われます。(参照:共済金等の支払基準)

自賠責保険による補償はいずれも上限が定められており、オプションや特約などで「無制限指定」にすることはできない、ということを銘記しておきましょう。

自賠責保険の基本は対人補償のみ

自賠責保険によってカバーされる事故被害の範囲は、任意保険と比較するとかなり限定されている事が分かります。自賠責保険の適用範囲は基本的に「対人補償」のみ、となっています。

相手の車が損傷してしまったとしても、自賠責保険で支払うことはできません。また、自分の怪我を治療する費用や、自分の所有する自動車の修理費用も自賠責保険で支払うことはできないのです。自分の車に同乗していた人が怪我を負った場合にも補償はありません。

注意!

任意保険では「対人・対物無制限」というのが一般的です。対照的に、自賠責保険では最低限の補償しか受けることができない、ということを覚えておくのはとても重要です。

傷害による損害に支払われる内容

自動車保険

事故によって周囲の人に傷害を負わせてしまった場合、自賠責保険を活用することで支払いの負担を大幅に軽減することができます。

ただし、自賠責保険の補償範囲はあくまで「人」であり、事故によって破損した「物」には適用されません。

傷害に対して自賠責保険を利用することができるとはいえ、法律によって支払いの上限は定められています。もし上限を超えてしまった場合には、その費用をすべて加害者本人が負担する必要があるのです。

「傷害補償」という表現にはさまざまな内容のものが含まれており、その詳細はすべて自賠責法により規定されています。では、主だった補償内容についてチェックしていきましょう。

傷害による損害は治療関係費、文書料、休業損害および慰謝料が支払われる

傷害による補償には主に4つの事柄が含まれています。

  1. 治療関係費
  2. 文書料
  3. 休業損害
  4. 慰謝料

1つ目は「治療関係費」、つまり医療機関へ通院することに伴う費用です。2つ目は「文書料」、つまり戸籍謄本などの法的な書類を準備することによって発生する費用です。

3つ目は「休業損害」です。これは事故の被害者が仕事に行けなくなったことによって生じる収入減少を補う働きをします。

そして4つ目が「慰謝料」です。これは事故によって被害者が被った精神的苦痛に対する謝罪として支払われるものです。

自賠責保険では、これら4つの損害に対する補償を行なっています。ただし、損害金の支払いは基本的に示談が完了してからになります。

支払の対象となる損害一覧

チェック

事故に遭って傷害を負った被害者に対し、加害者は回復にかかる費用を全面的に負担する責務があります。これを「治療関係費の支払い義務」と呼びます。

治療関係費には、「診察料」や「入院料」だけでなく、「診断書の発行費用」など非常に細かな支払い項目も含まれています。

加害者は自賠責保険の傷害補償を使うことで、治療関係費の支払いによる負担を大幅に軽減することができます。

以下、治療関係費を詳しく解説します。全部で10種類の支払いが存在します。

支払の対象となる損害一覧

1.診察料

「診察料」とは、医療機関で医師の診察を受けることによって発生する費用のことです。初めて診察を受ける場合には「初診料」、その後同じ病院で診察を受けると「再診料」が発生します。

初診料はどこの病院であっても一律2,820円、再診料は1回当たり720円となっています。初めにかかった病院から別の病院へ転院した場合には、改めて初診料を支払う必要があります。また、診察時間外に診察を受けると割り増しの料金が発生します。

自賠責保険では「診察料は妥当な金額を補償する」となっているので、基本的には全額補償されます。支払いをスムーズにしたいなら、最初に診察を受ける時点で、保険会社に病院名を伝えておきましょう。

2.入院料

「入院料」とは、病院で受ける治療および病室のベッドを占有することに伴って発生する費用のことを指しています。また、管理栄養士の指導とそれに基づく食事の提供も入院料に含まれています。

自賠責保険では入院料に関して「妥当な金額を支払う」と規定されています。ですから、事故の傷害を回復するために普通病室へ入院した場合には、基本的にすべての費用を負担してもらえます。

例外は入院で個室を使用した場合です。医師による個別の指示があった、というケースを除き、自賠責保険による全額負担はありません。そのため、一部を被害者本人が負担しなければならなくなる、ということを覚えておきましょう。

3.投薬料

「投薬料」とは、治療に使用した医薬品の費用を指します。「手術料」は手術に伴う費用のことであり、「処置料」とは消毒や洗浄、酸素吸入などの処置をすることで発生した費用のことです。

自賠責保険では、投薬料や手術料、処置料に関して「治療に必要とされる妥当な金額を支払う」とされています。ですから、事故による傷害と認定される外傷やけがに関しては、基本的に全額を負担してもらえるはずです。

ただし、先進医療に認定される手術を受けた場合は、支払いの限度額である120万円を超えてしまうため、自賠責保険で補償されません。その場合は任意保険でカバーする必要があります。

4.看護料

「看護料」とは、入院患者に付き添うことで発生する費用のことです。基本的には、入院している12歳以下の子どもに対して、親や親族が付き添った場合に認定されます。自賠責保険では「入院患者の看護料は1日当たり4,100円」と規定されています。

自宅で看護を受けている場合には、医師の診断書を提出することで自賠責保険の補償を請求することが可能です。看護をするのが近親者であれば1日当たり2,050円となり、派遣された看護師であれば実費が支払われます。

事故による傷害が深刻で、看護にかかる費用が4,100円を超える場合には、医師の診断書を添えることで実費支給となります。

5.義肢等の費用

障害者

事故の傷害によって、松葉づえや義肢などが必要になった場合には、自賠責保険を活用することで購入費用を負担してもらうことができます。事故で視力が低下してメガネやコンタクトレンズが必要になった、という場合も同様です。

自賠責保険の規定によれば、「義肢等の費用は実費負担」となっています。また、入院期間中にこれらの医療器具が破損するなどして修理が必要になった場合には、それらの費用も自賠責保険で負担することが可能です。

ただし、メガネに関しては自賠責保険で負担可能な金額の上限が50,000円となっています。これを上回る分に関しては、加害者が負担する必要があります。

6.通院交通費、転院費、入院費、退院費

通院や転院、入院や退院時にかかった交通費はすべて自賠責保険に請求することができます。規定では「必要かつ妥当な実費を払う」と記載されています。

電車やバスなど公共の交通機関を利用した場合には、通院の記録があれば領収書が無くても申請をすることが可能です。ただし、タクシーの利用に関しては、「骨折していて歩行が非常に困難」といったケースを除き、補償を受けることができません。

自家用車を使って通院した場合には、費用を自賠責保険へ請求することができます。補償費用は1km当たり15円となっており、燃料がレギュラーでもハイオクでもこれは変わりません。

7.諸雑費

「諸雑費」とは、医師から与えられた指示に基づき、入院期間及び療養期間中に体調回復を目的として物品を購入したことによる費用を指しています。栄養補助食品やリハビリ器具の購入費用、また購入手続きのための通信費用などが含まれます。

自賠責保険では、入院中に発生した諸雑費に関して「1日当たり1,100円まで負担する」と規定されています。それ以上の費用がかかる場合には、医師が作成した指示書の提出が必要となります。

自宅療養中もしくは通院期間中に発生した諸雑費に関しては、1日当たりの限度額は規定されていません。医師による指示書があれば、基本的には自賠責保険による実費精算が可能となっています。

8.柔道整復等の費用

「柔道整復等の費用」とは、むちうちを始めとする事故の後遺症を緩和するために、柔道整復師や鍼師、灸師などが行う施術に関連する費用のことです。あんま師やマッサージ師、指圧師が行う治療もこの費用に含まれています。

自賠責保険には、柔道整復師や鍼師などが行った施術費用に関して「必要かつ妥当な実費を補償する」という規定があります。ですから、基本的には全額補償してもらえると考えてよいでしょう。

スーパーワンポイント鍼師やマッサージ師として認められるのは国家資格保有者に限られています。それ以外の人が施術をしても保険からの認定は受けることができない、という点を覚えておきましょう。

9.応急手当費用

「応急手当費用」とは、事故発生現場において、被害者の応急手当てに必要となった費用のことです。周囲の人が応急処置を施すために使用した医療器具などの経費も含まれます。

自賠責保険では、「直接応急手当に必要とされた費用に関しては、妥当な額を実費負担する」という規定があります。ですから、基本的には全額補償してもらうことができるでしょう。

スーパーワンポイント応急処置は被害者の怪我もしくは傷害に関する処置を指しており、現場において自動車を動かすためにかかった費用などは、応急処置に含まれていない、ということを覚えておきましょう。

10.診断書の発行費用

「診断書」とは、患者の病状に関する詳細を記述した書類のことです。事故によって傷害を負った場合には、怪我のある部位や完治までにかかる期間などが詳しく記載されています。

交通事故が起きた場合、物損事故から人身事故に切り替えを行なうためには、医師が発行した診断書が必要となります。また、会社に休職の届け出を提出する際にも診断書を添付することが求められます。

医師の診断書は健康保険の適用が無いため、1通当たり2,000円から3,000円程度の費用がかかります。自賠責保険では、診断書の作成費かかる費用に関して「実費負担する」という規定があるので、基本的には全額補償してもらえます。

支払の対象となる損害(休業損害)の算出方法

選択

交通事故に遭って仕事ができなくなったために発生する損害を「休業損害」と呼びます。自賠責保険では、被害者の仕事内容や雇用形態に関わりなく、休業損害に対する補償を行なっています。

パートやアルバイトとして働いている人、また専業主婦の人も休業損害に関する補償を受けることができます。

ただし、会社員として働いている人と事業主として働いている人では、給与形態に大きな違いがあるため、損害額の算定方法も異なっています。また、休業損害の申請をするために提出する書類も異なります。

  • 給与所得者(会社員などの場合)
  • 事業所得者(個人商店経営などの場合)

では、就業形態ごとにどのような休業損害の算定式が用いられるのか、また、どんな書類の提出が必要となるのかを調べてみましょう。

休業損害とは?算定式は「休業損害=5,700円×休業日数」

「休業損害」とは、事故が原因となって休職することになり、収入が減少したために発生した損害のことです。自賠責保険による休業損害の補償額は原則として1日当たり5,700円となっています。

ですから、基本的な休業損害の算定式は「5,700円×休業日数」となります。休業日数は、会社員であれば会社によって規定されている出勤日数のことです。一方、自営業者は入院および通院日数が休業日数となります。

ただし、5,700円はあくまで自賠責保険が規定する「下限値」です。必要な書類を提出して1日当たりの収入減が5,700円よりも大きいことを証明することができれば、補償額はさらにアップします。

この手続きを「収入減の立証」と呼びます。休業損害は最大で1日当たり19,000円まで補償を受けることができます。

休業損害の計算方法一覧

1日の損害額が5,700円を超える場合

休業損害の補償は1日当たり5,700円が最低額として規定されています。もし1日当たりの損害額が5,700円を上回る場合には、19,000円まで実費支給されることになってます。

会社員などの給与所得者に関しては、1日当たりの損害額を「過去3カ月分の給与÷90日」という計算式で算定します。一方、個人事業主などの事業所得者に関しては「前年度の申告所得÷365」という算定式で計算されます。

「入社したばかりで給与の受け取り実績が無い」という場合には、雇用契約書に記載されている給与金額を参考として計算が行われます。そのため、雇用契約書と在職証明書の提出が求められるでしょう。

給与所得者(会社員などの場合)

会社員を始めとする給与所得者の場合、休業損害額の算定式は「過去3カ月分の給与÷90日×休業日数」となります。この算定式によって導き出された値が5,700円を超える場合には、それが休業損害額となります。

スーパーワンポイント休業日数は会社規定のカレンダーに基づいて計算します。祝日や休日は含まれません。

休業損害額の上限は19,000円と規定されています。算定式の結果がそれ以上になってしまった場合には、19,000円が休業損害額となります。

立証する書類としては、会社が発行する「休業損害証明書」と「源泉徴収票」の提出が必要となります。時期によってはボーナスの減額分も請求可能です。

事業所得者(個人商店経営などの場合)

自営業者を始めとする事業所得者の場合、休業損害の計算方法は「青色申告」と「白色申告」でわずかに異なります。

青色申告の場合、1日当たりの休業損害額を算定する式は「前年度の申告所得÷365×実通院日数」となります。一方、白色申告の場合は「前年度の申告所得÷365×実通院日数×寄与率」という算定式を用います。

収入を立証するための書類としては、前年度の確定申告書類が必要となります。もし確定申告をしていない場合には、収入を証明する領収書などの提出が求められます。

それが難しい場合には、下限額である5,700円が休業損害額として認定されます。

事業所得者の計算に必要な「寄与率」とは?

パソコン

事業所得者の休業損害額を計算する算定式は「前年度の申告所得÷365×実通院日数×寄与率」です。算定式の中に含まれている「寄与率」とは、事故の被害によって事業にどれほどの影響が及んだか、ということを数値化したものです。

青色申告の場合は、寄与率が常に「1.0」で固定されています。そのため、算定式には多くの場合「寄与率」の項目そのものが記載されません。一方、白色申告をしている自営業者は条件によって寄与率の変動があります。

事故が起きたことによって経営している事業所もしくはお店が営業できなくなっている場合には、「寄与率100% (1.0)」となります。一方、事故の後も事業所やお店が営業している場合には、年間の事業所得に応じて寄与率が変動していきます。

前年度の年間所得が200万円を下回っている場合には、寄与率に変動はなく100%として算定が行われます。また、算定式における所得金額に関しても、200万円まで引き上げて計算が行われます。

一方、前年度の事業所得が200万円を上回っている場合は、自賠責保険を提供している保険会社が実業に関する審査を行ないます。

その後、審査内容に応じて60%から80%前後の寄与率を設定します。具体的な数値は保険会社の内規に基づいて決定されることになります。

家族専従者がいる場合には、3つの算定式から最も休業損害額が高くなるものが選ばれます。1つ目は「(所得金額+専従者控除額)×寄与率÷365」です。2つ目は「(収入金額-諸経費)×寄与率÷365」です。3つ目は「所得金額÷365」です。

寄与率の値や家族専従者の有無に関わりなく、算定の結果として1日当たりの休業損害額が5,700円未満になってしまった場合には、下限額である5,700円まで自動的に引き上げられる、ということを覚えておきましょう。

パートタイマーやアルバイトの場合

パートやアルバイトとして勤務している人が事故に遭った場合、休業損害額は状況に応じて決定されます。週5日勤務をしている人であれば、大抵は給与所得者と同じく「過去3カ月分の給与÷90日×休業日数」の算定式が採用されます。

「毎週シフトが変わるため、休業日数を決定するのが難しい」という場合には、これまでの就業実績に基づいた計算が行われます。過去3カ月間における平均的な勤務日数と労働時間、および時給などが考慮されます。

休業損害を確定するために提出が必要となる書類は「給与明細」です。もし勤め先で休業損害証明書を発行してもらうことができるなら、手続きはよりスムーズに進むでしょう。

「パートやアルバイトに内定していたのに、事故で出勤できず解雇になった」というケースでも、休業損害を申請することができます。この場合は、給与明細がないので、その代わりに雇用契約書を提出しましょう。

休業日数は?どのように数えるの?

カレンダー

「休業日数」とは、事故の影響で傷害を負ったため、仕事を行なうことができなかった「実日数」のことです。ただし、給与所得者と事業主では、「休業日数」に関する定義が異なります。

会社員など給与をもらっている人の場合、休業日数は「本来出社する予定だったものの、事故の影響によって出社できなかった日数」です。これは本人の申請ではなく、会社が発行する休業証明書に記載されている日数となります。

被害者が事業主である場合、休業日数は「入院および通院をした実日数の合計」となります。経営している会社もしくは事務所へ行かなかった日数ではありません。この日数を証明するためには、病院が発行する領収書を提示する必要があります。

有給を取って休んだ場合はどうなるの?

給与所得者が事故に遭った場合、休業日数というのは基本的に「会社へ出勤する予定だった日」のことを指します。では、休業期間中に有給休暇を利用した場合はどうなるのでしょうか。

事故が発生した後に有給休暇の申請が行われた場合、「本来は有給を使う必要はなかった」ということで、休業日数にカウントされます。つまり、有給の支払いに合わせて休業損害の補償も受けることができるのです。これに関して「2重取り」という扱いを受ける心配はありません。

ただし、休日出勤の代わりとなる「代休」に関しては、通常の休みと同じ扱いになります。そのため、休業日数にカウントされないので注意が必要です。

症状に応じて収入額が減額されるケースもある

お金が出ていく

休業損害は休業日数に応じて金額が変動します。ですから、むちうちなどの症状が改善して少しずつでも仕事へ行くことができるようになると、それに応じて損害の補償額が徐々に減額されることがあるのです。

保険会社は病院の担当医に対して症状の紹介を定期的に行っています。もし担当医が「改善が見られています」という診断書を作成すると、それを根拠として3カ月程度で減額、もしくは補償の打ち切りを行なうこともあります。

ただし、休業損害の減額や打ち切りを行なう場合、保険会社は被害者に対して明快な説明をする責任があります。「減額に納得ができない」という時は、弁護士を介して保険会社に問い合わせをしてもらいましょう。

勤務中や通勤中の交通事故は労災保険の「休業補償」が受けられる

仕事中や通勤途中で事故に遭った場合には、労災保険の「休業補償」を活用することができます。休業補償額の算定式は、自賠責保険と同様に法律で定められています。

労災保険が提供する1日当たりの休業補償額は「給付基礎日額×0.8」で算定されます。「給与基礎日額」は、「過去3カ月の給与÷過去3カ月の総日数」で計算される値です。

労災保険の休業補償は休業日数が4日を超えた段階から支給されます。「生活費が足りなくて困っている」ということが起こらないように配慮されており、労災の申請から補償の振り込みまでは概ね1週間程度です。

自賠責保険と労災保険の二重取りは不可

事故で仕事ができなくなった人に対し、自賠責保険では「休業損害」、労災保険では「休業補償」という支援措置が準備されています。補償の二重取りはできないので、どちらを利用するのか、事故の被害者本人が決める必要があります。

自賠責保険も労災保険も、国が定めている支援制度であり、どちらも厚生労働省が管轄しています。そのため、同じ案件に関して2つの保険から申請が来るとすぐに分かってしまうのです。

「二重取りを狙った悪質な申請」と判断されると、どちらの申請も取り消されてしまう可能性があります。ですから、「二重取りは不可」ということをいつも念頭に置いて手続きを行なうようにしましょう。

傷害による慰謝料の算定方法

打ち合わせ

交通事故が発生して被害者が怪我を負ってしまった場合、加害者には被害者が被った損害を補てんする責任が生じます。その責任には、通院費用や治療費、休業による収入減の補償などが含まれます。

加えて、事故を引き起こすことにより被害者に与えてしまった精神的な苦痛に対し、「慰謝料」を支払う必要もあるのです。自賠責保険の補償項目には、加害者に代わって被害者に支払う慰謝料を負担する、というものも含まれています。

ただし、自賠責保険で支払われる慰謝料については、算出方法が自賠責法によって明確に規定されています。では、自賠責保険を利用して慰謝料を支払う場合の基本的な算出方法について調べてみましょう。

慰謝料は入通院慰謝料「1日4,200円」が上限で支払われる

自賠責法によれば、被害者に対して傷害が発生してしまった場合、自賠責保険を活用して慰謝料を支払う際の上限額は「1日当たり4,200円」と規定されています。

病院で治療を受けた日数もしくは通院期間のいずれかに応じて慰謝料の支払いは行なわれます。

ただし、傷害事故に関して支払われる慰謝料の最大額は120万円と規定されているため、通院期間が非常に長くなったとしても、120万円を上回る金額が支払われることは基本的にありません。

唯一の例外は「被害者に後遺障害が残ってしまったケース」です。障害の等級に応じて最大4,000万円の慰謝料が支払われることになっています。

慰謝料の算定式は2種類

事故によって被害者が怪我をしてしまった場合、自賠責保険によって加害者に支払われる慰謝料は2つの算定式によって決定されます。

その算定式には「通院期間」、「入院期間」および「通院日数」の3要素が関係しています。

1つ目の算定式は「4,200円×(通院期間)」です。「期間」であって「日数」ではない、というのがポイントです。初診から最後に診察を受けた日付までの期間がポイントとなります。

もう1つの算定式は「4,200円×(治療日数)×2」です。「治療日数」とは、「入院日数」と「通院日数」を合算したものです。つまり、医療機関を実際に利用した日数のことを指しています。

自賠責保険では、2つある算定式の中から支払総額がより安くなる方を選択し、示談の成立後に慰謝料として被害者へ支払うことになっています。

4月1日に事故、4月28日まで通院、治療期間4月28日(1日~28日)のケースで計算

レントゲン

被害者の通院期間は4月1日から4月28日まで、ただし実治療日数は12日間というケースを考えてみましょう。

慰謝料に関する1つ目の算定式は「4,200円×通院期間」です。事故に遭った4月1日から治療が終了した28日までの期間は28日です。ですから、算定式は「28日×4,200円」となり、支払い総計は117,600円となります。

一方、2つ目の算定式は「4,200円×治療日数×2」となっています。実際に病院で治療を受けた日数は12日なので、計算は「4,200円×12日×2」となります。結果として支払いの合計は100,800円となります。

実際に支払う慰謝料の金額に関しては、「2つの算定式からより安い方を選択する」というルールがあります。ですから、この場合は治療を受けた日数に基づく計算式が採用されることになり、100,800円が支払われることになります。

自賠責保険の慰謝料は「自賠責法」によって定められているため、これ以上の金額を請求することはできない、ということを覚えておきましょう。

(参照:河原崎法律事務所)

治療期間は事故発生日から治療終了日又は症状固定日まで

自賠責保険の慰謝料算出には「治療期間」が大きく関係しています。被害者の怪我が骨折や外傷などの場合、治療期間は事故が発生した日から、医師に「治療が終わりました」と言われる日までとなっています。

一方、むちうちなどの後遺症が残ってしまった場合、治療期間は事故発生日から「症状固定日まで」とされています。症状固定日とは、「これ以上治療を続けても症状の改善が見込まれない」と医師が判断した日のことです。

治療期間の終了に関しては、医師による判断がカギとなります。ですから、どこか違和感を感じる部位がある場合には、いつでも包み隠さず話して診断を受けるようにしましょう。

通院期間が長い又は通院日数が多い方が補償額は増える

自賠責保険が支払う慰謝料の計算方法は明確に定められています。算定式によれば、通院期間が長ければ長いほど、また治療を受けた日数が多ければ多いほど、多くの補償を受け取ることができます。

ですから、できるだけ多く補償を受けたいと考えているのであれば、症状が完全に良くなったと感じるまで病院に通い続けることが大切です。これは事故に遭った被害者が持つ正当な権利である、ということを念頭に置いておきましょう。

むちうちの症状などは1週間以上経過してから出てくることがあります。ですから、事故から数日経過して痛みが出ないとしても、すぐに示談手続きをする、ということは避けましょう。

文書料とその他の費用について

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事故が発生した後には法律に関わる複数の手続きを行なうことが必要となり、その度に色々な書類を提出することが求められます。遠方で事故に遭ってしまった場合には、近くのホテルなどに宿泊する必要が生じるでしょう。また、事故車の搬送にも費用が発生します。

自賠責保険を利用することで、書類申請に伴う費用、いわゆる「文書料」を負担してもらうことができます。また、自動車のレッカー料金や搬送料金なども、きちんと申請すれば大抵は自賠責保険で支払うことができます。

提出が必要となる文書は即時発行してもらえるものがほとんどです。とはいえ、いずれも受け取りに際して費用が発生します。では、その詳細を見ていきましょう。

文書料とその他の費用について一覧

1.交通事故証明書

「交通事故証明書」とは、事故が発生した日時や場所、および事故に遭った当事者の名前などが記載されています。ただし、警察に事故の届け出をしていないとこの書類は発行されないので注意が必要です。

交通事故証明書は運転免許センターにて即日発効してもらうことができます。費用は540円です。もしインターネットを介して書類の交付申請をする場合には、手数料としてさらに130円の支払いが必要となります。

2.印鑑証明書

「印鑑証明書」とは、地方自治体において印鑑が登録されていることを証明する書類のことです。事故手続きや保険取引を始めとして、重要な法的書類を扱う際には必ずこの書類が必要となります。

印鑑証明書の発行には1通当たり300円の費用がかかります。印鑑登録証を自治体の役所に持っていけばすぐにその場で発行してもらえます。最近では、マイナンバーカードを利用してコンビニでも発行できるようになっています。

3.戸籍謄本

「戸籍謄本」とは、戸籍に含まれている家族全員の情報および関係性を記した公的文書のことです。生年月日や続柄、両親の氏名や結婚歴の有無など、基本的な情報がすべて含まれている事から「全部事項証明」とも呼ばれます。

戸籍謄本は市役所あるいは支所で交付申請をすることができ、即日受け取ることが可能です。費用は自治体によって多少異なるものの、大抵は1通当たり450円となっています。

4.除籍謄本

「除籍謄本」とは、戸籍の中に誰もいない状態を証明する書類のことです。結婚や死亡によって戸籍の登録者がいなくなったことを示す重要な書類であり、保険の手続きでは頻繁に用いられています。

除籍謄本は地方自治体の市役所もしくは支所で申請すれば、その場で発行してもらうことができます。1通当たりの費用は750円となっています。もし郵送で申し込む場合には、郵送費用が別途必要となります。

5.搬送費用

「搬送費用」とは、事故のために動かなくなってしまった自動車を搬送する際にかかった費用のことです。レッカー車や陸送業者による搬送費用に加えて、クレーン車による引き上げ作業代金なども含まれます。

搬送費用の請求をするには、レッカー車やクレーン車による作業代金を記載した請求書が必要となります。自賠責保険を担当する保険会社の審査を通ると、すぐに搬送費用の払い戻しが行われます。

6.近親者の交通費&宿泊費

自賠責保険では、自宅からかなり遠く離れた場所で事故に遭ってしまい、深刻な怪我を負ったため入院する必要がある、と判断された場合の移動費用を負担しています。近親者がタクシーなどを利用した場合には、その交通費を申請することが可能です。

また、近親者が自宅へ戻ることができず宿泊する必要が生じた場合には、自賠責保険を利用することで最大2名まで宿泊費用を負担してもらうことが可能です。

傷害による損害で支払われる自賠責の総額は120万円まで

通帳

自賠責保険では、治療が完了して示談が確定した後に慰謝料の支払いが行われます。事故によって被害者が何らかの怪我をしてしまった場合には、慰謝料とは別に治療費用の支払いも行なわれます。

ただし、被害者に対する傷害の慰謝料は上限が定められている、ということを銘記しておきましょう。重篤な障害が残ってしまった、というケースを除いて、慰謝料は120万円が上限とされています。

もし支払いの総額が120万円を超えてしまうと、余剰分は自賠責保険の補償外となります。もし任意保険に加入していない人は、120万円を超えた分に関して自分で負担する必要があるのです。

治療の際は被害者でも健康保険を使うほうが得

自賠責保険からの支払いは治療が完了した後になります。ですから、当面の間は通院にかかる費用を自分で支払わなければなりません。

時折「事故の治療では健康保険が使えない」と主張する病院があります。とはいえ、実際には利用可能です。病院としては保険を適用しない方が利益が大きくなるのでそのように言うのです。

健康保険を利用すれば、自己負担額は3割で済むので大変経済的です。また、保険会社としても、自由診療で治療した場合より最終的に支払う金額が少なくなるので、健康保険を利用してほしいと考えています。

まとめ

請求書

事故が発生して怪我を負わせてしまった場合、その補償をする上で大きな助けとなるのが「自賠責保険」です。自賠責保険によって補償できる分野は「治療関係費」「文書料」「休業損害」および「慰謝料」の4つです。

「治療関係費」には、医療機関での診察費用に加えて、通院のための交通費や鍼・あんま治療などの費用も含まれます。交通事故の後遺症としてむちうちに悩む人は少なくないので、リハビリ費用を含めた幅広い補償があることは大変望ましいことと言えるでしょう。ただし、上限は120万円と決められています。

「文書料」とは、交通事故証明書や戸籍謄本など、保険に関する手続きで必要になる書類の発行に伴う費用のことです。領収書があれば基本的に全額負担してもらえます。

「休業損害」は、仕事ができずに収入が減少した人のための支援措置です。職種や業種、雇用形態に関わりなく利用できるというのがメリットです。

「慰謝料」は、事故によって被った精神的および肉体的苦痛に対して支払う金銭のことです。1日当たりの上限は4,200円と決められています。

自賠責保険による補償範囲は幅広いとはいえ、補償金額は最低限に設定されています。「手厚いサポートを受けられるようにしたい」という人は、任意保険への加入を検討すると良いでしょう。

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