【自動車保険】途中解約すると等級はリセット?中断で引継ぎ可能に!
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自動車保険には複数の種類が存在し、保険会社ごとに内容が異なる場合もあります。しかしどのような種類でも等級と呼ばれるものがあることが基本であり、それにより保険料の金額が割引されて安くなる場合もあるのです。
何かしらの理由で契約期間中の自動車保険を解約すると、今までの等級がリセットされてしまう場合もあります。しかし必要な条件を満たしていればリセットされず、等級をそのままにして引継ぎを行うこともできるでしょう。
自動車保険を途中解約すると等級はリセットされる?
事故を起こすことなく保険を使わないで過ごしていれば、自動車保険の等級は上がります。しかし契約してから7日間が経過すると等級はリセットされてしまい、新たに加入する場合は6等級から始まることが原則となります。
”中断証明書”があれば解約しても7等級以上は引継ぎ可能
自動車保険をただ解約するだけでは、その後等級はリセットされてしまうでしょう。しかし解約の際に中断証明書を発行することで決められた期間内であれば等級の保存が可能となり、引継ぎが認められる場合もあるのです。
中断証明書の発行手続きには、解約時に以下のような理由が必要です。
- 自動車を廃車にする
- 自動車の車検が切れている
- 自動車が車両入替手続きにより他の保険の対象となった
- 自動車が盗難された
- 自動車を災害により失ってしまった
- 長期間の海外渡航を行うことになった
上記したような正当性のある理由がない場合、中断証明書は発行されないのです。自動車の所有は続けているが特に理由もなく運転しなくなったという場合、解約後に別の自動車保険に加入しても等級の引継ぎは認められないでしょう。
中断証明書の発行は、保険会社の規定に沿うことになるでしょう。また中断の手続きを行うためには、自動車保険の等級は7等級以上である必要があります。
解約したら低い等級も元にリセットされない
自動車保険には1から20までの等級があり、5等級以下の場合はリセットされません。5等級以下の場合、解約日または満期日から13ヶ月間はその等級を引継ぐことになります。悪い等級のリセットを試みても、意味はない事が多いです。
情報交換制度により、保険会社間で以下の情報が共有されているためです。
- 契約者の等級
- 事故件数
解約後に新たに別の自動車保険に加入して6等級から始まったとしても、引継ぐべき等級が存在することが判明すれば訂正されるでしょう。
事故後の解約や乗り換えは損をする?満期前は大損?タイミングが重要
自動車保険の契約期間中に事故を起こしてしまった場合、等級の引継ぎには注意した方が良いでしょう。
満期日や保険期間中に乗り換える場合、以下の通り内容に合わせて等級が下がります。
- 3等級ダウン事故であれば3つ下がる
- 1等級ダウン事故であれば1つ下がる
満期日に乗り換えをした方が、等級が下がることを遅くできる場合もあります。また乗り換え後の新しい保険会社の方が保険料やサービス内容においてメリットがある場合、解約のタイミングは慎重に考えると良いでしょう。
自動車保険の”中断証明書”を発行する方法と条件
中断証明書は手続きを行ったとしても、誰でも発行してもらえるとは限りません。いくつか満たすべき条件があり、たとえば以下のような書類が必要になる場合もあります。
- 登録事項等証明書
- 検査記録事項等証明書
- 譲渡前後の自動車検査証
所有する自動車を廃車とする場合、また譲渡する場合は必要な書類を証拠として残すことをおすすめします。また海外渡航を理由に発行手続きを行う場合、以下のような書類が必要になるかもしれません。
- 変更手続依頼書
- 中断証明書の原本
- パスポートのコピー
- 車検証のコピー
自動車保険の内容は保険会社ごとに異なる場合もあるため、発行に関する条件にも差があるかもしれません。たとえば妊娠したことがきっかけで自動車の運転を控える女性の場合、中断を認める保険会社もあるかも知れません。
発行に関しては保険会社の規定に沿うことになり、上記の書類を提出するだけで良い場合もあります。ちなみに中断証明書の発行は、無料で行える場合もあるのです。
中断証明書発行は任意保険解約後13ヶ月以内が期限
自動車保険を解約後に中断証明書を発行する場合、以下の通り決められた期間が存在します。
- 保険の終了日から13ヶ月以内
- 解約日か保険期間満了の場合は満期日から13ヶ月以内
いずれの場合でも13ヶ月という期間が存在し、間に合うように手続きを行う必要があります。13ヶ月を経過した後に手続きを行っても、発行は認められないでしょう。また保険会社によっては、無期限で手続きができる場合もあります。
手続きに不備があると無効となる可能性もあるため、内容はよくチェックすべきです。もし期間中に必要な手続きができそうにない場合、保険会社に連絡すると良いです。事情を伝えれば、何かしらの対応をしてもらえるでしょう。
13ヶ月以内か忘れてしまいそうな人は、なるべく早めに手続きを行ってください。
中断後の等級の保存期間は最長で「10年」
正しい手続きにより中断された自動車保険の等級は、最長で10年間保存されます。保存の有効期間である10年以内であれば、同じ等級から自動車保険を再開できます。上記でも説明しましたが、原則として等級は6等級から始まります。
つまり7等級以上であれば、新規で加入して6等級から始まるよりも得と言えるでしょう。6等級よりも7等級以上の方が保険料の割引率が高く、節約が可能となるでしょう。中断証明書が発行されれば、保険料の支払いは中断されます。
保険会社ごとに保存期間が異なる場合もありますが、一度中断しても10年以内に再開する見込みがあれば手続きを検討すると良いでしょう。一度発行されれば保険会社に履歴が残り、紛失しても再発行してもらえるでしょう。
等級引継ぎは家族間(夫婦・親・子供)で行える
自分自身が何かしらの理由で運転をしなくなった場合、自動車保険の解約だけではなく自動車そのものを手放すこともあるかもしれません。しかし家族の誰かが免許を取得し、運転のために自動車保険に加入することもあるでしょう。
上記のような場合で自分の自動車保険の等級が良ければ、引継ぎにより家族の保険料を節約できる場合もあります。等級の引継ぎは、以下の家族間でも可能となります。
- 夫婦
- 親と子供
ただし家族だからといって、必ず引継ぎが認められるとは限りません。同居中の家族に限られるため、別居している場合は認められません。現在同居しているが将来的に別居の可能性があれば、早めに中断することをおすすめします。
必要であれば早めに中断証明書を発行していても、損をすることはないでしょう。
中断中の任意保険を再開する手続き
保険を再開させるための手続きには、中断の際に取得した中断証明書が必要となります。そして以下に挙げる条件を満たした場合、手続きが行えるようになるのです。
- 中断証明書の有効期間内である
- 対象となる車両が保険会社から認められたものである
- 新契約の記名被保険者が旧契約の記名被保険者と同一であるか旧契約の記名被保険者の配偶者である
- 上記の場合で旧契約の記名被保険者またはその配偶者の同居の親族である
- 新契約車両所有者が旧契約の車両所有者または旧契約の記名被保険者と同一であるか旧契約の記名被保険者の配偶者である
- 上記の場合で旧契約の記名被保険者またはその配偶者の同居の親族である
再開の手続きは保険会社ごとに異なる場合もあるため、事前にチェックすることが重要です。
途中解約・中断・乗り換えまでの全ステップ
自動車保険の中途解約や中断や乗り換えに関するステップをまとめると、以下の通りとなります。
- 【1】希望する保険会社に乗り換えで契約する意向を伝える
- 【2】契約している保険会社または代理店に解約の意思を伝える
- 【3】乗り換え先の保険会社から送られてくる書類の必要事項に記入して保険証券と一緒に返送する
- 【4】解約日と始期日を合わせて申し込みの手続きを行う
- 【5】乗り換え先の保険会社に保険料を支払う
4番目のステップでも取り上げた通り、契約中の保険解約日と乗り換え先の保険始期日が同日である必要があります。手続きが完了すれば保険会社から解約返戻金が支払われる場合もあるため、忘れずに受け取るようにしてください。
自動車保険の乗り換えを行う場合、少しでも保険料が安いものを見つけると良いでしょう。等級が同じでも保険会社の割引率により、節約できる場合もあるためです。複数の保険会社を比較して、自分に合いそうなものを探すと良いです。
まとめ
自動車保険の等級は事故などのトラブルがなく保険を使っていない場合、翌年度に1つ上がることが基本です。そのため20等級までになるには長い月日と事故を起こさない努力が必要で、簡単なこととは言えないでしょう。
解約後に何もしないまま過ごし等級がリセットされてしまえば、割引率も低くなってしまうためもったいないと言えます。自動車を運転する機会がなくなったとしても、解約だけが適した方法ではないと覚えておきましょう。
中断により等級をそのまま残して引継ぎを行えば、等級に応じた保険料の割引により引継ぎ相手は喜ぶかもしれません。期間や条件などをわかりやすくメモにまとめておくなどして、いざというときに備えることをおすすめします。