「車間距離不保持=あおり運転」詰めすぎは罰則&反則金&点数減点に
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意外と知られていない交通違反の1つに、車間距離不保持があります。端的にお伝えすると、前を走っている車との距離を詰めることです。よく高速道路などにおいて追い越し車線でそうした光景を見るかもしれません。
また一般道でもせっかちなドライバーが、車間距離をやたらと詰めていることもあります。こうした運転の仕方は交通違反になってしまうのです。また近年社会問題化したあおり運転の影響もあって、厳罰化が進んでいるので詳しく解説します。
車間距離不保持とは社会問題になっている”あおり運転”
前段でもお伝えしましたが、前の車との車間距離をやたらと詰めて走ってしまうのが車間距離不保持という交通違反です。ドライバーの暗黙の了解の1つに、こうした行為は前の車に遅いから車線を譲れというものがあります。
ですが一般道だと特に左側の車線が空いていなくて、そのまま進まないといけない場合もあるでしょう。こうした運転があおり運転だとみなされてしまうのです。もちろん車間距離を癖で詰めていて、特にあおるつもりはないという人もいるかもしれません。
ですがあおり運転というのは、された方が思うことであって車間距離を詰めている方が考えることではないのです。そのため安全運転のためにも、交通違反をしないためにも、車間距離不保持にならないように努めることが重要です。
車間距離不保持にならないために何メートル空けるの~適切な車間距離の空け方~
車間距離不保持と言うけれど、いったいどのくらいの距離を空けていればいいのか分からないという人も多いでしょう。確かに道路交通法を見ても、明確に車間距離を何メートル空けると書かれている訳ではありません。
何故なら道路の交通では一定の速度で走っていませんし、その車のタイヤの状態や積荷の重さなどで安全な距離が変わってくるからです。そこで1つの目安として言われていることがあります。
- 60キロ以下の速度で走っている時は、速度から15を引いたメートル
- 60キロ以上の場合だと速度と同じメートル
具体的を出してみましょう。
- 50キロで走っているのなら35メートルは空ける
- 60キロの場合は45メートル
- 80キロなら80メートル
- 100キロなら100メートル
といったような形です。
車間距離不保持の違反はすぐ”あおり運転”に該当するのか
次に覚えておきたいのは、車間距離不保持がイコールであおり運転になるのかどうかです。結論から先にお伝えしますと、車間距離不保持であるからといって、いきなりあおり運転には該当しません。
- 車間距離不保持
- 急ブレーキ違反
- 進路変更禁止違反
- 蛇行運転
- 幅寄せ運転
- クラクションをむやみに鳴らす
これらの交通違反などを組み合わせた危険運転のことを、あおり運転と呼んでいます。そのため車間距離不保持であったからといって、すぐにあおり運転とはならないのです。
あおり運転が社会問題化したことから、2020年には道路交通法の改正が閣議決定されています。その中には通行を妨害する目的で、急ブレーキや車間距離を詰めるなどの違反を繰り返す行為を、あおり運転とすると規定されました。
実際に車間距離不保持は取り締まりがあり”摘発件数が増加傾向”
車間距離不保持が交通違反といっても町中でも見かけることだし、そんなに検挙されることはないのではと考える人もいるでしょう。ですが警察の発表によると、実は車間距離不保持の検挙数はかなり増加しているのです。
- 高速道路における取り締まり件数では5番目に多いのが車間距離不保持
- 検挙数は1万3000件を越えている
- 車間距離不保持は前年よりも約2000件検挙数が増加している
- 増加率が16.9%となり、最も検挙数が増加している
といった形です。警察もあおり運転が社会問題化したことを重く見ていて、車間距離を詰める運転に対しては厳しく見ていると考えられます。
車間距離不保持が即あおり運転ではないですが、危険の芽を摘むという点でも検挙数が増えているのでしょう。
【一覧表】車間距離不保持の罰則・反則金・違反点数
では最後に車間距離不保持の罰則や反則金、違反点数についても紹介します。実は高速道路か、一般道路かで処分の重さが違ってくるのです。では高速道路の例から確認していきます。
- 通常違反点数は2点
- 酒気帯び違反だと0.15以上~0.25未満で14点、0.25以上で25点
- 大型車 1万2000円
- 普通車 9000円
- 二輪車 7000円
- 原付 走行不可のためなし
次に一般道のケースを考えます。
- 通常違反点数は1点
- 酒気帯び違反だと0.15以上~0.25未満で14点、0.25以上で25点
- 大型車 7000円
- 普通車 6000円
- 二輪車 6000円
- 原付 5000円
となっています。
まとめ
車間距離不保持についての情報でした。前の車との車間距離を詰めて走ることは、車間距離不保持という交通違反に該当します。近年では社会問題化したあおり運転のこともあり、特に高速道路での取り締まりが厳しくなっているのです。
一般道路でも車間距離不保持で検挙されることがあります。車間距離の目安としては60キロ以上だと速度からマイナス15キロをして距離を計算してください。
例えば時速60キロで走っているのなら、45メートルは空けるということです。60キロ以上だと速度がそのままメートルになります。