運転中の携帯(スマホ)どこから違反?信号待ちは?罰金や交通違反点数
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「ながら運転」は社会問題となっていますが、運転中のスマートフォン・携帯電話使用による交通事故が後を絶えません。警察では「ながら運転」の取締りに力を入れています。
「ながら運転」の処罰に関する知識があいまいだという人は案外多いです。運転中のスマホ使用はどこから違反になるのか?罰金や点数による罰則の具体的な内容は?
この記事ではスマホ・携帯電話による「ながら運転」の罰則について解説していきたいと思います。
スマホ運転への罰則強化が開始
残念なことに、運転中のスマホ使用による交通事故件数は増加傾向といえます。死亡事故率についても、スマホを使用してない場合よりも約2.1倍高いというデータが出ています。
そういう事情もあって「罰則等の強化」が行われましたが、具体的に以前とどう変わったのか見ていきたいと思います。
スマホ運転への罰則強化はいつから?
ながら運転の罰則強化はすでに始まっており、「令和元年12月1日」から施行されています。
以前の処罰と比べるとかなり厳しめになっているため、現在の罰則内容と比較してみたいと思います。
厳罰化された罰金や点数「交通の危険」の場合
処罰の分類は「交通の危険」と「保持」という2つがあるので、一つずつ見比べてみましょう。
まずは「交通の危険」から。こちらはスマホを使用して事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合の処罰です。
「携帯電話使用等(交通の危険)」
【以前の罰則】
罰則:3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
反則金:大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原付車6千円
基礎点数:2点↓
【令和元年12月1日~の罰則】
罰則:1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
反則金:適用なし
基礎点数:6点
点数は「2点から6点へ」と3倍の厳しさとなりました。これは事故を起こした場合には即、免許停止処分の対象になることを意味しています。
罰則内容も「3月以下の懲役」から「1年以下の懲役」に、「5万円以下の罰金」が「30万円以下の罰金」になりました。
「反則金」とは?罰金との違い
令和元年12月1日以降、反則金は「適用なし」となっています。適用なしだから、処罰が軽くなった気がしますが、もちろんそうではありません。
反則金とは「6点未満(1~5点まで)の交通違反に課されるお金」のことをさします。6点未満のような比較的軽微な交通違反であれば、反則金を納付すると罰則(懲役や罰金)を受けないで済みます。
以前のスマホ運転への処罰は2点だったので「反則金:大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原付車6千円」となっていました。
ところが現在は6点の交通違反に変わったので、反則金は適用外となります。6点以上の重い違反の場合、刑事罰である「罰金」が適用されます。
厳罰化された罰金や点数「保持」の場合
次に「保持」の場合を見てみましょう。
「保持」は携帯電話を保持して通話したり画像注視したりした場合の処罰です。
「携帯電話使用等(保持)」
【以前の罰則】
罰則:5万円以下の罰金
反則金:大型車7千円、普通車6千円、二輪車6千円、原付車5千円
基礎点数:1点↓
【令和元年12月1日~の罰則】
罰則:6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
反則金:大型車2万5千円、普通車1万8千円、二輪車1万5千円、原付車1万2千円
基礎点数:3点
保持の場合もやはり厳しい変更がされ、「罰則:5万円以下の罰金」だったのが、懲役も加えられ「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」となりました。点数も「1点」から「3点」へ。
3点の違反なので反則金が適用されますが、普通車であれば「6千円」から「1万8千円」へと3倍になっています。
違反点数が同じ他の交通違反は?
携帯電話使用等による「交通の危険」が6点、「保持」が3点ですが、他の交通違反にはどのようなものがあるのでしょうか。
一例ですが6点であれば以下のものがあります。
- 一般道で30km以上50km未満の速度超過
- 高速道で40km以上50km未満の速度超過
- 無車検・無保険
かなり危険の高いスピード違反と同じレベルでの扱いだというのが分かります。
3点では以下のようなものがあります。
- 25km以上30km未満の速度超過
- 保管場所法違反(道路使用)
こちらはちょっと分かりにくいですが、ひとつ低い2点だと「赤色等の信号無視」や「追越し違反」があります。
運転しながらのスマホ使用は信号無視よりも危険だと見なさているということです。
運転中にスマホし「ながら運転」はどこまでなら違反でない?
交通違反の取り締まりは年間600万件ほどで、そのなかで運転中の携帯電話使用等については80万件以上だそうです。これは平成30年では全体の14%に及ぶ多さです。
運転中はいっさいスマホに触れないというのが最善ではありますが、どこまでならセーフで、どこから交通違反になるのか気になるドライバーもいるはずです。
運転中の「信号待ち」のスマホ(携帯電話)使用は違反?
処罰強化による「改正道路交通法の条文(令和元年12月1日施行)」の「運転者の遵守事項」には以下のように記されています。
第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第三号の二において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第三号の二において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
車が停止しているとき以外はスマホで通話したり、その画面を注視したりしてはいけないとなっています。
では赤信号で停止しているときにスマホをいじったり電話したりするのはどうなのか?車が停止とはタイヤが完全に止まっている状態です。そのため、赤信号で停止しているのであれば、スマホをいじるのは問題ありません。
運転中にイヤホン通話(ハンズフリー)は違反?
運転中のイヤホン通話(ハンズフリー)については、違反とはなりません。
都道府県の条例によってイヤホン(ハンズブリー)は禁止?
「ながら運転」による処罰の対象にはハンズフリーは含まれていませんが、それとは別に、各都道府県の道路交通法施行細則によって、「危険な運転につながるイヤホンの使用はやめてください」といった条例を定めているところもあります。
通話だけでなく音楽を聴くためにイヤホンやヘッドホンをつけている場合でも、大音量で流していると、他の車のクラクションや緊急車両に気づかない場合があります。
安全運転のためには「音」はとても大事な情報で、音が聞こえなかったせいで交通事故が起きたというケースもあります。
安全運転ができなくなるようなイヤホンやヘッドホンの使用は条例違反となります。別の言い方をすれば、イヤホンでの通話自体はどの都道府県であっても違反にはなりません。
カーナビも「ながら運転」で違反?
ながら運転での交通事故のなかで、最も多いケースが「カーナビ」です。運転中にカーナビの画面を注視することも違反となります。
自転車や歩行者の「ながらスマホ」も違反?
自動車だけでなく自転車の場合にも、スマホ使用は道路交通法違反となります。歩行者は含まれてはいませんが、スマホ使用による事故も起きていますし、気をつけましょう。
自転車で違反した場合には「5万円以下の罰金」が科されることがあります。